出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】読者からの要望が高かった発売当初の大型版を約30年ぶりに復刻! 萩や広島、富士登山と暇を見つけては日本を回り、そしてハワイ、モロッコ、スコットランドなど世界各地も漫遊する旅の様子を漫画で綴る。本書は著者の遺作となった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズコ(梵我一如、一なる生命)
14
海外編に比べて、こちらは純粋な漫画からなる1冊。海外旅行の話しも何編か組み込まれていた。ユーモアも皮肉も丁度良い感じ、そのバランス感覚がサザエさん長生きの秘訣だったんだろうなぁ。かなり若い(幼い)時期から活躍されていたので、腹の決まったはっちゃけ具合といい丁度良く現れていて、それが現代の作家さん達のそれほどどぎつく映らないのは、やはりそもそもが色々と厳しく躾けられていた生まれのためなのかもな、と思った。現代で目立つには物足りないけど、当時なら十分なあけすけ具合と言ったところか。2024/12/22
くさてる
14
新版で再読。この伸びやかな描線と可愛らしい色遣い。時代を越えた笑いと、動物への優しい眼差し。長谷川町子先生大好きです。2016/08/31
Yumi Ozaki
5
サザエさんと旅行できたら楽しいだろうなー。2021/10/09
marua
4
姉妹社版の完全復刻がレトロファンにはありがたい。明治生まれのお母さんはどのマンガでも「他人だから笑える」傍迷惑なエピソードがてんこもりだけど、海外旅行でもバイタリティ全開。1ドル360円時代の海外旅行譚としても、今じゃ立派な歴史の記録。2018/10/07
無理ちゃん
3
長谷川町子記念館/美術館に初めて行き、なかなか充実の展示だったので(長谷川町子が巡った海外について)、メインで展示されていた原稿が収録された本書を購入。海外に対して日本人が感じるカルチャーショック的なものは、海外旅行自由化間もない頃に行われた団体旅行だとしても(町子)、現代の一人旅だとしても(私)、たいして変わらないんだなあ(普遍的だな)と思った。辛辣さとユーモアのバランスが絶妙。しばし創作意欲が衰えてから久しぶりの筆だったようで(当時50代?)、内容に老いと哀愁みたいなものも感じた。2023/11/21