出版社内容情報
「凍れる音楽」と讃えられ、創建以来の優美な姿を保つ薬師寺東塔。全解体し、再組み立てを行う大修理が2020年に完遂。文化財保存関係者、建築史、年代学、美術史、考古学、歴史材料科学等の研究者らが貴重な知見をわかりやすく解く。
内容説明
たび重なる災害、戦乱にも失われることなく、創建以来の優美な姿が伝えられてきた、国宝薬師寺東塔。十二年に及ぶ大修理事業が企図され、全解体、再組み立てがこのたび完遂し、建築当初の姿を取り戻した。建築史、年代学、美術史、考古学、歴史材料学、伝統建築保存に携わる専門家らが解体修理の過程で見出した、貴重な知見をわかりやすく説く。
目次
白鳳の御代から衆人に見守られてきた薬師寺東塔(薬師寺管主・加藤朝胤)
第1章 一三〇〇年の歩みと今
第2章 解体修理の目指したもの(鈴木嘉吉)
第3章 平成の匠の挑戦
第4章 東塔の構造解析と構造補強
第5章 写真構成 解体から再組み立てまで
第6章 年輪が明かした薬師寺東塔の建立年代(星野安治)
第7章 初重に残る宝相華文の復原(池田藍子)
第8章 基壇の発掘調査―限界だった古代の基礎工事(青木敬;米川裕治)
第9章 国宝薬師寺東塔の水煙・相輪の調査と復元(村上隆)
コラム・インタビュー 河村隆一さん 薬師寺東塔修理に寄せる期待
著者等紹介
加藤朝胤[カトウチョウイン]
1949年愛知県生まれ。法相宗大本山薬師寺管主。龍谷大学文学部特別講師などを務めるほか、NHK『こころの時代』など、TV・ラジオでも活躍。各地で講演会や辻説法も開催
鈴木嘉吉[スズキカキチ]
1928年東京都生まれ。奈良文化財研究所名誉所員。専門は日本建築史。1952年東京大学工学部建築学科卒業。工学博士(東京大学)。奈良国立文化財研究所建造物研究室長、同平城宮跡発掘調査部長、文化庁文化財保護部建造物課長、同文化財鑑査官、奈良国立文化財研究所長を歴任。日本建築学会大賞受賞
星野安治[ホシノヤスハル]
1976年千葉県生まれ。国立文化財機構奈良文化財研究所年代学研究室長。専門は文化財科学、年輪年代学。2007年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)
池田藍子[イケダアイコ]
1987年大阪府生まれ。奈良県文化財保存事務所員。専門は文化財(絵画)記録保存。2011年、奈良教育大学大学院修了(教育学修士)
青木敬[アオキタカシ]
1975年東京都生まれ。國學院大學文学部教授。専門は日本考古学。2003年、國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(歴史学)。鎌倉市教育委員会技術吏員(学芸員)、奈良文化財研究所主任研究員などを経て現職
米川裕治[ヨネカワユウジ]
奈良県立橿原考古学研究所指導研究員。専門は日本考古学
村上隆[ムラカミリュウ]
高岡市美術館館長・光産業創成大学客員教授。専門は歴史材料科学、文化財学、博物館学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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