内容説明
浅間山の大噴火がフランス革命を起こした?19世紀に世界を一体化したのはコレラだった?モノとヒトとの組み合わせから歴史の同時性をさぐる、54のエッセイによる新しい「世界史入門」。
目次
序 世界史をかんがえる
1 時代をよむ(智恵のリンゴは苦かった;人類文明の源流はどこに;古代の魅惑と偉大な教師たち;紀元前から紀元の時代へ;古代からのメッセージ;歴史における連続と断絶 ほか)
2 事件をよむ(世界史の悪しき同伴者・疫病;侏儒の王国―異形にやどる英知;踊り狂う集団―南イタリアの舞踏病;細菌学と公衆衛生;からだ、どう考えますか?;古代の百科全書派・プリニウス ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金監禾重
7
第1章の「時代をよむ」が爽快。世紀を単位に遠く離れた土地での人々の営みの共通点が描き出され、歴史の不思議な強い力を感じさせる文章。世界史地図帳のユーラシア地図で同時代の各地の版図を一望するのは楽しいものだが、地図に現れない文化や思想でも時代の潮流というものがあり、興味をそそられる。第2章の「事件をよむ」はテーマごとではあるがやはり他地域との比較の視野とともに語られる。全編を通して、失礼なことを言えばこじつけに近い部分もあるだろうが、「世界史」を魅力的にする「見方」が提示されている。2020/02/26
じょあん
3
著者は西洋史の大家だが、西洋のみならず、東洋史、日本史と自由自在に様々な物事についてエッセイとしてしたためていく。筆致も軽やかでよみやすく、内容も面白い。著者の視点にすっかり魅了された。こんな良い本があったとは!2024/04/20
void
1
【★★★☆☆】'92年。非西欧中心史観、生活史・文化史重視、共時的把握という視点から、一項目4~5頁で古代から現代まで幅広く取り上げる(とはいっても西欧率はやはり高い)エッセイ。何が良いって、(特に前半1/4における)文章が上手い。世界史特有のダイナミズムもあるが、読点の使い方によるリズムと体言止め、過去における現在視点などがいい味だしてる。羽田正『新しい世界史へ』で求められていたことは――教科書としてはともかく――本書のようなものが適宜あれば十分だろ、と再認。2012/09/01
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