内容説明
つらい思いと厳しい体験を「美談」に終わらせたくない。C型肝炎、子から父への生体肝移植。臓器移植法改正への動き…。二人の視点から、現代日本が抱える大問題に迫る。
目次
第1部 河野洋平から(「新たな生命」をもらうまで;「新たな生命」をもらって)
第2部 河野太郎から(「新たな生命」を贈る;生体肝移植のドナーとして、政治家として;現代の「国民病」C型肝炎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Keystone
9
エゴサで話題の河野太郎大臣ご本人がTwitterでオススメしていたので読みました。父子それぞれに書かれていますが、お二人ともさすが、非常に読みやすい文章。生体肝移植はしたが、勧めないという太郎氏の主張も非常に納得のいくものでした。洋平氏は全然言うことを聞かなくて安静にしておらず、ちっとも良くならないので、ご家族はさぞかし大変だっただろうなと思いました。2019/10/31
ゆうゆう
5
これは経験者でなければ語れない内容。C型肝炎という概念もA型B型に比べ遅れて判明した病気であったり、そして、仕事が政治家でというある意味24時間特殊業務であったり、大変な状況で病と付き合ってきた結果、生体肝移植は残された、命を繋ぐ最後の唯一の治療であったとは、肉親でも難しい決断であったことでしょう。あくまでも治療手段の一つで、すべての人に当てはまる訳でもなく、決断できることでもない。それにしても、天然なのか、やわらかくしようとしたのか、人を惹きつける言葉を持っている人だなぁと思った。さすが!2015/11/07
浅西マサ
3
まえがきで「アラビアのロレンス」の場面を引用していて、映画ファンとしては嬉しくそこからぐいぐい読めました。平成14年に父河野洋平氏が息子の太郎氏から生体肝移植を受けたのだが、その時の様子をそれぞれ父と息子の視点から並べられている。洋平氏の政治家としての回顧録でもあると同時に新自由クラブを発足させた時は既にこういう症状がと病歴も語られているのが凄まじい。太郎氏の文章は切れがよく現在SNSで好評なのも納得。本人は美談にしたくないとは言うも、その行動は美談や快挙を越えている。脳移植の見解も興味深かった。2019/09/16