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内容説明
あの悲劇は終わっていない。一変したそれぞれの人生を生き続ける12人の「ふつうの人びと」の物語。震災前はどんな暮らしをしていたのか。どんな夢があったのか。震災後はどんな思いで生きてきたのか。―12人の被災者にひとりの記者が問い続ける。
目次
絶対、前の洋ちゃんに戻したる―城戸美智子さん
お地蔵さん来て、考え変わった―明石健司さん
あんたはええわ、姉は言った―小林里志さん
これから一人、「三回目の人生」に―古西隆裕さん
「どれほどのゆめ うばいさりしか」―小林紀代さん
怖いはずやのに、ワクワクしてた―長尾貴幸さん
もう三年。一生分生きた―小山重美さん
千曲の楽譜と命、ピアノが救った―谷藤雅也さん
行って、地震にあって、帰ってきた―吉元サチヱさん
仮設で、僕はイキイキしていた―小林洋一郎さん〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シュシュ
27
阪神・淡路大震災で被災した人たちのそれぞれの物語。短編小説を読むように引き込まれて読んだ。震災後障害が残ってしまった少女、亡くなった赤ちゃんに似せて作ったお地蔵さん、アル中の男性、夫婦で頑張った後に妻を亡くした人、初めてボランティアをした若者、震災後も学校を回って演奏している管弦楽団他…。地震の時と直後の描写を読むとやっぱり凄いことだったと感じる。大変な中をもがきながら、少しずつ歩き出した人たちのドラマや行政の課題が描かれていた。今も各地で被災した人が頑張っているのだなと改めて思う。2016/11/19
おさと
8
私も、おかげさまで生きています。2018/02/13
zumi
5
稲垣さんの著書を何冊か読み興味を持ち過去の新聞記者時代の本作にたどり着いた。阪神大震災に遭った方々、12人への聞き書き。朝日新聞大阪本社版の 夕刊(′97年7月~‘98年10月)に掲載されたのをまとめたもの。それぞれの痛切な思いが胸を突く。著者も神戸に住んでおられたが、自身の家はほとんど無傷だったのだそう。「あとがきに変えて」が心に残った。感想を書こうと思ってるうち、元日の能登地震がおき、書く気力も失せつつあったが、忘れないように一応書いておかなくちゃね。2024/01/07
読書国の仮住まい
3
著者初読み。 1995年1月17日。 未曾有の直下型地震が発生。 被災した12人の方たちが語る個人的体験をまとめたもの。 家族を亡くした人。 住む家を失った人。 生まれ故郷に帰って行った人。 自身も神戸在住でありながらほとんど被害がなかった稲垣さん。 そこに書いて書くことの虚しさに直面する。 そして震災の取材から逃げていたが、2年半経ってようやく連載が開始される。 普通の人たちは、あの震災の朝からまた一つの物語が始まったのだ。 さらにここから数十年。 果たして今現在、どのような物語を続けているだろうのか。2023/01/11
カリメロ
2
アフロの稲垣さんが震災の数年後に取材した記録。銭湯好きなので、長田区の「幸せ湯」について検索してみたが、現在では廃業されている模様。あれからもう4分の一世紀近く経過して、何もなかったかのように神戸の街はにぎやかだけれど、いやいや、それは事実ではないだろう。2017/11/17




