内容説明
『無知の涙』の執筆開始から28年、1997年8月1日死刑執行。膨大な獄中読書ノートが遺った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
8
東海林さだおからサルトルまで、読書に耽溺する著者。本書はその書評。獄中生活が二十年を過ぎ、今後も、よもや執行はなかろうという心の余裕が感じられる。癖だらけの著者に反して、その文体は非常に素直。真似たいくらいである。著者よ、楽しい心の旅をありがとう。(真似てみた。)2019/04/20
yakisoba
4
永山則夫が獄中で書いたノートの中では、かなり晩年にあたる文章をまとめたもの。文章学というよりも読書ノートを兼ねた日記的な内容になっている。永山は二審で死刑から無期懲役に減刑され、最高裁で差し戻しとなって死刑が確定しており、その間に書かれたものが中心となっている。本当は死刑が確定してからの心境の変化を読みたかったのであるが、その時に書かれていたノートは秘密裏に廃棄されているらしく現在では読むことが出来ない。2011/12/23