内容説明
「最後の独裁国家」「飢餓地獄」「核外交」への道を、確実な資料と緻密な論考で明らかにする初の本格的な北朝鮮通史。
目次
共産主義運動のはじまり(1918年~1925年)
植民地朝鮮での共産主義運動(1925年~1945年)
中国とロシアでの朝鮮人共産主義運動(1920年代~1945年)
ソ連軍占領初期の北朝鮮(1945年8月初旬~同年8月下旬)
金日成の登場(1945年8月下旬~1946年初頭)
共産党単独政権樹立へ(1946年初頭~1948年9月初旬)
朝鮮戦争前夜(1948年9月9日~1950年6月24日)
朝鮮戦争(1950年6月25日~1953年7月27日)
戦後復興と金日成独裁の確立(1953年7月28日~1956年末)
韓国に対する経済的優位の確保(1957年初頭~1961年9月)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むとうさん
2
韓国の政治学者が北朝鮮の金日成時代の歴史を概説したもの。若干古い本(1997年刊)であるが、今話題の渦中にある北朝鮮について理解を深めるためにはまず歴史から、ということで。現代を考える上で役立ちそうな視点は大きく2つ。1つは北朝鮮が中国、ソ連を中心に場合によってはアメリカとも臨機応変に立ち回ったこと。もう1つは金日成から金正日への権力移譲がかなり前もって行われていたこと。後者は特に、今回それに失敗しているという点がどう響くか?著者が韓国人なのでやや感情的な文面も見られ、客観性については少し割り引くべきか。2011/12/22