内容説明
人類はあらゆる領域でめざましい発展をとげてきたが、統治の仕方だけはお粗末な実績しかあげていないように思われる。国王・大統領・政治家たちはなぜ国益に反する愚行を、押し通したのか。トロイア戦争、ルネサンス時代の法王庁、合衆国独立を招いた18世紀英国、そしてヴェトナム戦争に介入した米国を爼上に、歴史家タックマン女史の明晰な筆が冴える。
目次
1章 愚の行進―国益に反する政策の追求
2章 愚行の原型―トロイア人、木馬を城壁内に引き入れる
3章 法王庁の堕落―ルネサンス時代の法王たち、プロテスタントの分離を招く(シクストゥス4世;インノケンティウス8世;アレクサンデル6世;ユリウス2世;レオ10世;クレメンス7世)
4章 大英帝国の虚栄―英国、アメリカを失う
5章 ヴェトナム戦争―アメリカはヴェトナムで自己背信をおかす
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
この著書の「八月の砲声」を読んだことがあるのですがかなり克明に書かれていたことを覚えています。この本もかなり以前に出版された本で細かい字でぎっしりと書かれています。負の側面からの世界史における自演をピックアップして分析しています。トロイアから法王庁、大英帝国、ヴェトナム戦争という観点からのある意味詳細な報告です。2018/11/06
ななっち
5
智者は歴史より学び、愚者は経験より学ぶ・・といいつつ、人間は歴史からほとんど学んでいないということも感じたりします。日本人にはなじみの少ない教皇の権力闘争は、本当に勉強になりました。ボルジア家とそのライバルとの争い、またルネッサンス芸術の庇護者としての法王庁の実態など、普通の歴史シリーズ本ではなかなか知りえないことが詳細に描かれていて、非常に面白かったですね。またアメリカの独立戦争を招いたイギリスの政治闘争(イギリス側から見たアメリカ独立戦争というべきか)、それから常に考えさせられるヴェトナム戦争(ベスト2012/10/02
vip2000
3
訳本で1ページ二段の構成で文字が小さく非常に読みにくい。宗教闘争の説明は大勢の人物がとっかえひっかえ権力者が変わったという記録の羅列で、背景にある状況や民衆の影響力など東洋人にも解りやすく描写されていればと想う。了読断念。2016/12/19
読みたい
1
昨今の国内外の情勢に触発されて読んでみましたが、溜息をつきたくなるほど人間社会が進歩していない事を痛感しました。目先の「ニュース」「論評」に踊らされる前に一読する事を万人に勧めたいです。2019/02/20
takao
0
ふむ2025/02/11
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