出版社内容情報
主要な土地にあるがゆえ、北条家と上杉家から度重なる攻撃を受ける唐沢山城。民を戦火から守るため、城主である佐野昌綱が採った戦略は「降伏」だった! 戦況に応じて北条と上杉に交互に降りながら戦国を生き抜いた傑物を描く歴史小説。
内容説明
戦の趨勢を決める北関東の要衝の地であるがゆえに、常に戦場となってしまう佐野。戦のない世を求める唐沢山城主の佐野昌綱が、北条氏康・上杉輝虎と渡り合う手段に選んだのは〈降伏〉だった!寝返り続けることで、彼の野望は遂げられるのか!?
著者等紹介
赤〓諒[アカガミリョウ]
1972年京都府生まれ。上智大学教授、弁護士。2017年『大友二階崩れ』(「義と愛と」改題)で第九回日経小説大賞を受賞しデビュー。23年『はぐれ鴉』で第二十五回大薮春彦賞、24年『佐渡絢爛』で第十三回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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信兵衛
17
武将が後世に名を残すのは、戦に勝ってこそ、と思う処ですが、負け続け、そして降伏し続けて名を高めた武将がいたとは驚きです。 何度降伏しても、その度に我が身をはじめ家臣・領民たちを守り続けたというのはおよそ信じ難いこと。 それを成し得たのが、実在の武将、佐野昌綱という人物。 降伏を成功させる・・・いやー、これまでの戦国ものとは対照的な内容で、実に面白かったです。2025/07/09
Atsushi Kobayashi
17
高速のSAとしか知らない佐野なのですが、こんな位置にあって 凄い事になってたとは知りませんでした。大変興味深く読めました2025/06/21
mitubatigril
13
いつも通り 作者の作品の最初が入りにくい感じで読み難く興にのったらスラスラ進む 歴史小説好きの自分も中々上手くいかなくて読み通したら面白いのにと感じてしまう。 そして佐野昌綱は全然知らない人物で作者が人物像を作ったとしても 納得できる内容で現代でも充分参考になるのではと思ってしまう。確かに謙信は軍神と呼ばれる程に戦に強く人物像に賞賛されるところさあるけどその他武将の昌綱からしてみれば、軍神が戦さを起こし続けているから平穏が遠いんだ無くそうとしてないからだと だから我、演ず なんだと 2025/07/27
chuji
3
久喜市立中央図書館の本。2025年6月初版。書き下ろし。史実をもとにした歴史エンターテインメント小説。戦国武将、佐野家第十五代当主、唐沢山城主・佐野昌綱譚。『小さくか弱き佐野は、いかに足掻こうとも、北条にも上杉にも勝てぬ。最初から負け犬なのじゃ。されば、勝とうと考えるな。右へ左へ翻弄されようとも、いかに大負けせぬか、皆を守れるか、それのみを考えて、生き抜け』by鬼爺〈佐野泰綱:昌綱の祖父〉P.1982025/10/13
タスボ
3
85点 乱世の時代こんな人物もいあたんですねぇ 個人的には大変魅力のある人物でした。 大河ドラマでも面白うそうです。2025/07/22