出版社内容情報
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内容説明
28歳の限界会社員・青瀬は、無能なパワハラ上司・前川に苦しめられながら毎日深夜まで働き詰めの生活を送っていた。そんなある日、「失踪宣言」と共に突然前川は姿を消す。突如訪れた平穏も束の間、前川から続けざまに届いたメールには「私は殺されました」と書かれ、容疑者として総務経理本部全員の名前が並んでいた。青瀬は妙に頭の冴える派遣社員・仁菜と共に真相解明に取り組むのだが…。あなたはこの真相を受け入れられますか?
著者等紹介
遠坂八重[トオサカヤエ]
神奈川県生まれ。2022年、『ドールハウスの惨劇』で第二十五回「ボイルドエッグズ新人賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
410
とぼけた文体をまとって飄々と進行するので、過酷な職場環境もそこまで悲壮感なく読ませる。ラストのオチも多少笑いに転嫁しようかな?くらい軽く爆弾落としてくるので、それほど嫌な気持ちにならず読めはするが、自分がこの状況になったら堪らんなという生々しさはほどよく残されている。大手らしい企業で、経理総務系の部署だけがここまで極端に長時間労働になるか?という疑問を序盤から持ちながら進むと、いちおうその有り得なさがちゃんと伏線になっていたようで、なるほどねとは思ったものの、嫌ミスとして秀逸だなとまでは感じなかった。2025/04/29
yukaring
122
かなり重い、トラウマ級のお仕事ミステリ。読めば読むほど辛くなりラストに至っては…。主人公の青瀬はパワハラ上司に振り回され、毎日深夜まで働く限界会社員。家に帰ればゴミを出す気力もない。しかしある日パワハラ上司・前川が失踪、そして数日後には「私は殺されました」というメールが社内へ発信される。しかも容疑者は部下の青瀬達5名だと名指しをして…。会社で疑いの目を向けられる青瀬たちは疑惑を晴らすためにイヤイヤながら前川の行方を探し始める。ブラック職場の現状と人間が壊れていく過程がリアルでもはやホラー小説のようだった。2025/03/16
ma-bo
107
文章は読みやすく面白かったけど、嫌な気分で疲れる読後感。ホラーではないのにぞっとする。上場企業の総務経理統括本部に勤めている二十八歳の青瀬達。毎日膨大な量の雑務が舞い込み残業は当たり前のブラック企業。それ以上に苦しまされているのは部長前川のパワハラ。そんな前川が突然「失踪宣言」メールを残して姿を消し、さらに数日後に「私は殺されました」容疑者として総務経理総括本部の社員5人の名前が並んだメールが届く。前川の失踪前から、過重労働とパワハラで追い詰められている青瀬の心身の状態が気の毒。終盤それまで見えていた↓2025/10/13
fwhd8325
89
面白かったけど、とても不快感が残ります。作家としては、してやったりなのでしょうか。とにかく、先へ先へと急がせてくれます。昭和の時代、まだパワハラなんて言葉がなかった時代は、どこにでもこんな上司はいたんじゃないかな。そう思えば、思い当たる節がなんてこと考えながら、令和の時代も変わってないな。結末も、意外性と言うよりも、これが現実だなんて、少し寒気を感じました。2025/10/06
まり
88
図書館本。上司の前川のパワハラには本当に嫌すぎたし消えてからも青瀬の環境は変わらず、どっちかと言うと悲惨な感じで読んでいるこっちが拷問を受けている気分だった。途中、何回か思った、青瀬のなかなかなダメっぷりに大丈夫なのか?と。なので最後の最後で何となく腑にも落ちた。それにしてもニナちゃんには、すっかり騙された。2025/05/07




