出版社内容情報
地の果てまで追い詰めると戦勝国が誓ったナチ戦犯。だが戦後早々、西独、CIAや西側情報機関で元ナチは重用された。冷戦期、元ナチ残党が世界で引き起こした混乱の実態をモサド未公開史料、元スパイへのインタビューなどから描き出す。
内容説明
「第四帝国の誕生」「第二のホロコースト発生」西側諸国が抱いた、ありえない恐怖と過度の警戒感が、糾弾すべきナチスの像をゆがめていった。ナチスを反共主義者と信じて重用したCIC(米陸軍防諜隊)、BND(西独連邦情報局)。アラブ諸国の情報を得るためナチスを雇ったモサド。西側に浸透すべくナチスを利用した東ドイツのシュタージやソ連のMGB(国家保安省)。ナチスを反ユダヤ主義者と見込んで招き入れたシリア、エジプト。雇われたナチスが身勝手な行動に走るなか、漁夫の利を得たのは―。日本の読者のための著者による書き下ろし解説も収録。
目次
第1部 凋落と復活(荒れ地;ゴミ溜めのなかから―生き延びたナチ浪人;乞う者と選ぶ者―ゲーレンとCIA ほか)
第2部 副産物と影響(漁夫の利;ハダード通りの家;オリエント貿易会社―第三世界のネオナチによる目論見 ほか)
第3部 余震と幻影(ダモクレス作戦―幻影を追跡するモサド;目の前の獲物と核の悪夢;悪魔との取引―ナチを使うユダヤ人国家;ハエは密で取るもの;沙汰止み)
著者等紹介
オルバフ,ダニ[オルバフ,ダニ] [Orbach,Danny]
1981年イスラエル生まれ。エルサレム・ヘブライ大学歴史・アジア研究学科准教授。ハーヴァード大学で博士号(歴史学)取得。専門は軍事史、日本および中国近現代史。イスラエル軍情報部に勤務後、テルアヴィヴ大学、東京大学、ハーヴァード大学で歴史学と東アジア地域学を学ぶ。歴史学者、評論家、政治ブロガーとして、ドイツ、日本、中国、イスラエルと中東の歴史に関する考察を精力的に発表している。本書は2022年3月に英語で刊行されたのち、ヘブライ語、ポルトガル語、フランス語、、ハンガリー語、スペイン語、イタリア語、ポーランド語訳が出されている
山岡由美[ヤマオカユミ]
出版社勤務を経て翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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