また会う日まで

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また会う日まで

  • 池澤 夏樹【著】
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  • 朝日新聞出版(2023/03発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 723p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022518972
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。〇長編小説の冒頭は印象的な場面からはじまる。主人公の秋吉利雄は病におかされ、死を前にして自らの生涯を思い返す。息子と一緒に行った球場で驟雨に打たれながら、自分の生きてきた道筋はどのようなものだったのか、改めて考える。天文学者として自分の手がつむぎだした計算結果が飛行機や軍艦を導き、人の上に爆弾や砲弾を降らせた。海軍の軍人であることは、クリスチャンとしての第六戒「汝、殺すなかれ」にあきらかにそむいたのだ。戦争に加担してきたことを悔いる。*長崎の熱心なクリスチャンの家庭で育った秋吉利雄は、難関の海軍兵学校に入学、優秀な成績で卒業した。その後、海軍大学校を経て東大で天文学を学び、海軍の水路部に入った。幼なじみのチヨと結婚したが、10年共に暮らしたチヨは長女の病気を世話するうちに感染して他界した。妻を失った利雄は職務に専念する。1934年、日本統治下のローソップ島へ、国内外の研究者を率いて皆既日食観測に向かい、大きな成果をあげた。島を離れる時に交流をふかめた島民がうたってくれた賛美歌「また会う日まで」が思いおこされる。この日にこそ私は帰りたい。アメリカへ留学経験もあるヨ子(ルビ・よね)と再婚し、養子にむかえた亡き妹の次男、チヨの遺した長女も交えて新たな生活がはじまった。1937年、天皇陛下が水路部に行幸されることになり、天文・潮汐を掌理する部門を率いる立場からご説明を申し上げた。水路部で日本近海の調査業務にかかわったが、1941年、山本五十六大将によばれ、真珠湾の精密な潮汐表を求められた。アメリカとの戦争がついに始まる。ミッドウェー海戦では、海軍兵学校の同期、加来止男(ルビ・かくとめお)が空母「飛龍」の艦長として戦死した。この年、養子にした甥の文彦が17歳で天に召された。ついに学徒出陣がはじまり、戦況は悪化したため、水路部は分散疎開がすすみ、東京郊外の立教高等女学校に水路部の井の頭分室を設置した。ここで生徒の協力を得て、天測暦が作られた。築地では信仰の仲間でもある聖路加の日野原重明医師とすれちがって、長い立ち話をした。1944年、甥の福永武彦が山下澄と結婚して、その後、夏樹が生まれた。1945年3月10日の東京大空襲により、築地の水路部も被災したので、かねて準備していた岡山の笠岡に家族とともに疎開した。戦争が終わって、一家は東京に戻ったが、公職追放で次の職場はなく、軍人恩給も停止された。妻のヨ子はGHQの仕事を得て活躍するようになった。兵学校の同期のMとなじみの居酒屋で、あの戦争を振り返る。そして娘の洋子が父の秋吉利雄の最期を記す。病床の父は聖歌の「主よ、みもとに」を歌って欲しいと言った。父が亡くなったあと、洋子と4人の弟妹の歩みが記

内容説明

海軍軍人、天文学者、キリスト教徒として生きた秋吉利雄。3つの資質はどのように混じり合い、たたかったのか。史実をみごとに融合し、波瀾に満ちた超弩級の歴史小説。

著者等紹介

池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年北海道生まれ。作家、詩人。88年「スティル・ライフ」で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2000年『すばらしい新世界』で芸術選奨文部科学大臣賞、04年『静かな大地』で親鸞賞、司馬遼太郎賞、10年『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』で毎日出版文化賞、10年朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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starbro

191
池澤 夏樹は、新作中心に読んでいる作家です。大日本帝国軍人に関しては悪いイメージしかありませんが、敬虔なクリスチャンにて天文学者、これほどまで清々しい軍人を知りませんでした。非常に難しい時代を生きた傑物を見ました。本書は、今年の最長編にてBEST20候補です。 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=240812023/04/06

KAZOO

90
この作品は朝日新聞に1年半にわたり連載されたものですが読まないでこの本になって読みました。池澤さんの大伯父さんを主人公にしてその人物が大正・昭和の時代を生き抜いてきたことを読ませてくれました。海軍軍人で天文学者、さらにはキリスト教徒(この本の題名は讃美歌からきています)であった主人公が海軍兵学校、海軍大学校、東京大学などで学び、どちらかというと軍人よりも学究的な人物であったと感じます。作者の父親の福永武彦や日野原重明先生等も登場します。子供や妹あるいは連れ合いが亡くなったりしますがそういう時代だったのです2023/05/24

kawa

34
海軍軍人、キリスト教者、天文学者と異なる側面を併せ持つ秋吉利雄氏を主人公に描く長尺歴史ドラマ。秋吉氏は著者の大伯父で実在の人物の由。主人公の兵学校仲間として架空のM氏を据え、著者がインタビューで述べた(今の)「政府はウソをつくし、文書を焼くし、メディアはあおるし。大衆はころころ(意見が)変わる。戦争中と同じことをしているなと思いますよ」を上手く連想させ考えさせられる。読みどころ多し。2023/04/12

どぶねずみ

27
(朝日新聞連載中に毎日欠かさず読んでいたので、連載終了日22年1月31日を読了とする)著者の大伯父にあたる秋吉利雄さんの生涯について。私が全く存じ上げない方だったが、本書によるとエリート教育の海軍兵学校より海軍軍人となり、その後天文学者として世に憚り、ローソップ島で皆既日食を記録するという功績が天皇陛下の目に留まったようだ。最期は戦死した友のことを思って亡くなっていく。戦争の生々しい内容ではあるが、身内から小説化されて残されていくことがとても素晴らしい。2022/01/31

あや

19
海軍の軍人でありながら天文や測量を行う水路部に所属し、戦うことよりも船舶、航空機の安全な航行のために力を尽くした秋吉利雄が、学者と軍人と信仰の間に悩みながら生き抜いた人生を描いている。戦争に手を貸した軍人という職業と、殺すなかれと説く信仰の間で誠実に生きようと努めた利雄について、後に娘の洋子が主の言葉を引いて、父は灯台のように高く火を掲げ、遠く広くを照らす存在だったと語る場面がある。信仰に対しても職務に対しても誠実に生きた利雄の生涯が、彼が信じた主の言葉によって肯定されたようで安堵する場面でもあった。2023/10/01

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