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出版社内容情報
陰謀論集団「Qアノン」が信奉する「Q」とは何者なのか? 匿名掲示板への謎の投稿をきっかけに世界中に影響を与えた人物の正体を、朝日新聞記者が関係者に取材を重ね追ったルポ。「朝日新聞」で大反響を呼んだ連載、待望の書籍化!
内容説明
全米で急拡大し日本でも広がりつつある「Qアノン」。その黒幕とは何者なのか―。関係者に取材を重ね、陰謀論が蝕む社会の実相に迫った衝撃のルポ。
目次
第1章 生まれる
第2章 信じる
第3章 追う
第4章 悔いる
第5章 闘う
第6章 広がる
終章 再び、追う
著者等紹介
藤原学思[フジワラガクシ]
1986年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科修了。主にプロパガンダを研究。2010年、朝日新聞社入社。札幌、岡山、京都で計4年間、事件記者。5年間在籍した東京社会部では、東京地検特捜部など主に検察を担当した。19年4月からニューヨーク特派員。22年9月まで3年半、米国社会や国連の取材を担い、現在は国際報道部記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
110
荒唐無稽な陰謀論がアメリカを徘徊している。悪魔崇拝の小児性愛者集団が政府やマスコミを支配していると唱えるQアノンが。貧困白人層が中心の信奉者がトランプ当選を信じて議会襲撃事件を起こし、高い教育を受けた知識層にまで広まっている。これほどアメリカ人を魅了したQアノンとは誰が発祥で、どのように広まったのかを追跡する過程で、日本の2ちゃんねるとの意外な関係が明らかになるのだ。アメリカの動向を追いながら、オウムや統一教会が成功し多くの騒ぎを起こしたように、カルトや陰謀論との親和性は日本人の方が高いのではと警告する。2022/12/19
おかむら
34
この世界を裏から牛耳っているのはヒラリーも属する小児性愛者の闇組織(ディープステート)でそれと闘うトランプが選挙で負けたのは不正だとかいうトンデモ陰謀論。こんなアホらしい主張を信じる人々とその発信者Qを追ったルポ。アメリカの一部の人たちの話と思いきや日本も案外関わってるのが驚き。陰謀論とか都市伝説ってテレ東の番組みたいに「信じるか信じないかはあなた次第」的に面白がってるうちはいいけど(またフリーメーソンかよ)、陰謀論を本気で信じて行動を起こす人がこんなにいるのかと思うと怖いよー。2022/11/19
くさてる
28
連邦議会議事堂襲撃事件を引き起こしたアメリカの陰謀論者、「Qアノン」。それはどこから生まれどのように発展していったのかを追った一冊。ドキュメンタリ―「Qアノンの正体」を見ていたら、色々と補完できてより分かりやすいかと思います。単にネタとして面白がったり、意外と一理あるだろうとすませてたり、なんとなく放置していたら、思わぬところでその嵐に巻き込まれてしまう、陰謀論にはそういう恐ろしさがある。それを追求しようとしても、分かりやすい答えはないはずで、わたしはそこに筆者の誠実さを感じました。続きを読みたい。2022/10/29
山口透析鉄
25
市の図書館本で。いわゆる陰謀論のルポです。小児性愛者の世界支配云々いう割にはエプスタインみたいな具体的な人物名を思い浮かばないのでQアノン信者?の社会性に限界しか感じません。残念ながら知性・理性の欠如というか。 匿名掲示板、私もWinPCでまだダイアルアップ接続でネット接続していた頃にも少し見ましたが、これは時間の無駄だなと判断せざるを得なくて今に至ります。SNSでも匿名度が高いと内容は概ね碌でもないので、もうちょっと考えてよ、とも思いますが、そういう能力があったらこうはならないでしょうし。(コメ欄に)2024/09/26
道楽モン
11
トランプ前大統領を神のように崇め、根拠の無い陰謀論を信じ込み、正義を背負って他者を否定する人々。ネトウヨにも通底する感覚的でしかない卑しい言文を旗印に、コンプレックスやルサンチマンに溢れたアイデンティティを堅持する人々。もはやQの正体よりも、Qアノンの増加、看過できない社会的影響に恐怖を覚える。本書に示されたものは、Qの予言が外れても疑わず、正当化する屁理屈は自己保身の言い訳と、一発逆転どんでん返しの人生のコペルニクス的転回にすがりつくしかない、SNSによってあぶり出された孤独な人々の死屍累々たる現状だ。2023/02/28