出版社内容情報
埋もれがちな教育現場での性犯罪──かたくなに事実を認めようとしない学校、周囲からの誹謗中傷、弁護士からの揺さぶり……。苦悩しながらも声を上げ続けた被害者家族の記録から、性犯罪に対する社会の構造的課題が浮かび上がる。
内容説明
魂の殺人―深く傷つけられ、信じる力を削られた少女。差別・偏見・揺さぶり…性的虐待に向き合わない学校の実態と終わらない被害者家族の闘い。
目次
第1章 告白(花火;勧誘 ほか)
第2章 決壊(引き潮;弁護士 ほか)
第3章 分断(転居;傍聴人 ほか)
第4章 反動(敵陣;内容証明 ほか)
第5章 正体(変速;聖夜 ほか)
著者等紹介
南彰[ミナミアキラ]
1979年生まれ。2002年、朝日新聞社に入社。地方総局での事件取材の担当を経て、08年から東京政治部・大阪社会部で政治取材を担当。18年9月から20年9月まで新聞労連委員長を務め、その後政治部に復帰した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
43
「(担任に)おっぱいぎゅうされた」と支援学級に通う娘が訴え…家族は大きなものを相手に戦いはじめます。この本はその記録です。統計的なルポかと思っていたので最初は驚きましたが、神父による性虐待を告発した家族たちのルポと内容が酷似していて、弱者を利用し押しつぶそうとするシステムに強い怒りを覚えました。先日女子バレー監督が部員の顔にボールをぶつける体罰で逮捕され「体罰の認識が甘かった」と供述したとか。権威に臆せず間違ったことには声をあげられる場を作っていかないと、と強く思います。2022/07/01
たまきら
36
再読。先生が生徒に及ぼす力の大きさは計り知れない。成績をつける権力者であり、「静かにしろ」を日常的に押し付けても許されるパワーを持っている。その力に抗うことはどんなに勇気がいることだろう。性暴力は殺人にも近い恐ろしい罪だが、恫喝や誹謗といったパワハラ行為だって子供を傷つけ、後の人生に影響を与えていく。多忙な先生たちの悪気のない放置だってネグレクトだ。どこまで立ち入るべきかは悩ましいが、親として守らなければいけないものは主張すべきだ。…子供に寄り添い続けるご家族を尊敬する。2024/10/29
かおりんご
33
一気に読んでしまった。同業者として、本当に心が痛い。もしみていたのなら、どうして声を上げなかったのだろうか。卑劣な男の餌食になった子供たちのことを思うと、本当に悔しいし、自己保身に走る行政に怒りが湧く。ぜひ、多くの人に読んでもらいたい。2022/06/21
読書は人生を明るく照らす灯り
13
📕読んだ理由📕教師の性加害問題を調べたかった 📘読んだ感想📘障がい者が性被害、暴力被害を受けた事を刑事と民事で裁判する話。障がい者の性被害は多いが、告発や裁判に必要な、場所と時間の発言には信憑性が低い!という事で、取り下げられる事もあったようです。家族の方々が、泣き寝入りする被害者をなくす為に、血を流しがら争った裁判に涙しました 📗読んだ後の行動📗犯罪の冤罪は許される事ではないが、罪を認めずに、冤罪で、押し切る、組織、学校、教育委員会には失望する。この流れを変える市長や議員が増えて欲しい2022/07/15
眠り猫@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
10
今まで表沙汰になっていなかっただけで、このような被害にあっていた子どもたちがどれだけいたことだろうか。教師を目指した時は正常だったのか、それともそんな最悪な理由で教師になったのか。何も言えない部下の教師たち。表沙汰になることを恐れる学校側、他児童の親たち。たくさんの敵に囲まれながらも我が子のために闘い続けたご両親は素晴らしいと思います。そして辛い話を何度も証言した子どもたちもえらかった。このような犯罪がなくなることを切に願います。2022/05/14
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