出版社内容情報
路地裏に迷い込む感覚、ふと思い浮かぶ天使、テーブルに有る「物」……日々の生活から浮かび上がってくるような、豊かな言葉の連なった詩50篇。装幀:名久井直子
内容説明
日々の生活から浮かんで来た52篇の詩。朝日新聞連載中の最新詩集。
目次
私事
天使考1
小さな花
天使考2
まだ生まれない子ども
物たち
天使考3
はらっぱ
今は切り株
六月〔ほか〕
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
詩人。1931年東京生まれ。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行しデビュー。以来多数の詩を創作し、海外でも高い評価を得る。また、散文、絵本、作詞、翻訳、脚本など幅広いジャンルで活動し、1982年『日々の地図』で読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞、2016年『詩に就いて』で三好達治賞ほか受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆきち
74
谷川さんの詩は好き。でも今回はなんだか心に沁みいってこない感じがした…と正直な気持ちで思ってしまった。読み進めていく…『老い』という言葉を見つけて気がついた。谷川さんは今年で90歳になられる。そりゃあ…90歳の方から見たらまだまだひよっこのわたしが理解が出来ないのも無理はない。そう気づいてから読み返すとなんだかそれまで受け取ってきた言葉たちから違う想いが伝わってくる。世界を見ても、自然を見ても、若者を見ても、生き物を見ても…生と死がそこにいて、過去がそこにいて…そんな今までとは違う葛藤を垣間見た気がする。2021/08/17
ひらちゃん
70
「トゲ」「今は切り株」が印象に残りました。いくつになっても、とめどなく言葉は溢れてくるものですね。感性が若くってときどきハッとさせられます。コトバで膨れて生きてきて、コトバを脱いでしまったら、今度は宇宙で詩を作るのだろうか。2021/07/07
けんとまん1007
58
敬愛する詩人、谷川俊太郎さん。もう何冊目になるのだろう・・・しかし、今回は、どこか感じるものが違う。感じる色合いが、淡いのだ。もちろん、根底にあるものは変わらないのだが、どうしてだろう?自分の感じ方が変わってきた部分もあるのだろうが、谷川俊太郎さん自身の変化もあるのかなと。齢90歳からくるものもと思う。最後の詩の最後の一行・・・20億光年につながるように思う。2021/09/15
papapapapal
40
谷川俊太郎さんの作品は、子どもの頃から当たり前に身近にあった。訃報に接し、思いがけず動揺している自分にびっくり。 図書館の特設コーナーで手にしたのは、今なお(?)月一で朝日新聞に掲載されている作品をまとめた2021年発行の一冊。私ごときがレビューするのもおこがましいが、リズミカルでおしゃれ、この世界の森羅万象に向き合い、どうにか言葉をのせられないかと楽しみながら創作される様子が伺える。 時代と共に価値観が変化しても、どうか、100年後も200年後も愛され続けますように。2024/11/20
アナクマ
22
「どこまでもここしかなく いつまでも今しかない」◉「文字よりも声が正直 目よりも耳が敏感 語る人は内心そう思っている」2021/08/07