私の夢まで、会いに来てくれた―3・11亡き人とのそれから

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022515339
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

出版社内容情報

【社会科学/社会】東北学院大学の金菱清教授とゼミ生たちが東日本大震災の被災地で集めた「夢」にまつわる証言集。身近な人との突然の別れを経験した被災者の人たちが悲しみを乗り越えて前向きに生きる姿も描く。大切な人を亡くした人への励ましとなる一冊。

金菱清(ゼミナール)[カネビシキヨシ]
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内容説明

東北の大学生たちが被災地で集めた“遺族が見る亡き人の夢”の記録、27編。二〇一七年度のゼミ生たちが調査をした記録集。

目次

1章 夢を抱き、今を生きる(やっと触れた懐かしい母のほお;あのとき「行くな」と言えていたら;神様がちょっとだけ時間をくれた ほか)
2章 小さな魂たち(私たちを忘れないで;琴からはみんなが見えているよ;夢も現実も妹がいつもそばに ほか)
3章 夢と現実の境界(「かあちゃん」と呼ぶ声が愛おしい;夢が教えてくれた新天地;泥だらけの姿で「ありがとな」 ほか)
4章 夢を思考する(孤立“夢”援―なぜ震災後、亡き人と夢で邂逅するのか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

45
辛い苦しい事を、胸のうちに留めておかずに話せるのはとても大切な事なのだと改めて感じました。周りの人全てが被災者。自分だけ泣き言を言うわけにはいかないと我慢する日々。そんな時に見る夢は癒しにもなっていたと知りました。「孤立無援」を「孤立夢援」と思った聞き取りをしたゼミ生の傾聴能力の高さのあらわれでしょうか。話し、理解してもらい、一緒に亡き人へ思いを馳せるひと時で、どんなに前向きになれたことでしょう。泥だらけの娘を水もお湯もない中、自らの舌で綺麗にしたという母。言葉もなくすほどの衝撃と感動に襲われました。2018/08/05

ナディ

41
「夢の中」で亡くなった人と邂逅する被災者への聞き取りをまとめたもの。大切な人を唐突に失う衝撃、未曾有の災害を体験した人々。夢の聞き取りをした学生達の思いも熱い2018/04/03

きいち

33
貴重な一冊。◇夢の話をこんなに身につまされて読んだことなんてない。なんだ夢の話か、みたいな日常の「夢」観とは別次元の強い現実。夢は自分から見る=自分から会いにいくことはできない、だから「会いに来てくれた」という感覚、現実で日々を重ねられない相手と新しく作ることができる未来。共感なんてできやしない、ただ頑張って受け取る。◇はっとさせられたのが、津波では写真やビデオ、遺品といった、故人の思い出を引き出す「形あるもの」が失われているという指摘。そうか、話を聞きにいった学生さんっちも、貴重な媒介になっていたんだ。2018/10/18

しぃ

23
被災者たちが見た夢の話。なんて書くと、所詮夢でしょ?な思いを持つ人もいるかもしれない。けど、大切なひとを亡くした方にとっては夢もひとつの現実なんですね。夢で会えたからこそ生きていける。前を向く力になる。それはもう現実といっていいと思います。子を持つ身としては、幼い子どもたちを亡くした方の話は読んでいて特に辛い。でも当時中学生だった子の話がいちばんグッときました。新たにご結婚されていたり、お子さんに恵まれていたりと、少しずつでも新たな幸せを見出している姿もあって、救われた気持ちになりました。2018/08/24

スノーマン

22
一般的に夢の話って、他人に口にしにくい。それは所詮、現実ではないという共通の認識があるからなのか。でも、この本で語られる夢の現実との境界線は非常に見にくくて、とにかく苦しくて、でも会いたくて会いたくてたまらない人に会えるという世界。どの方の体験も、同じ地震で被害に遭ったとはいえ千差万別。夢の話は現実ではないけれど、今を生きる力になっている。胸が締め付けられる。でもなんの体験もしていない私に泣く資格なんてない、じっと耐えながら読んだ。2018/08/24

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