出版社内容情報
時は幕末、勧進相撲で禁じ手を使い角界追放となった三峰山岩蔵。進退窮まった彼は元行司の式守庄吉らとともに「観客に見せる」格闘技を立ち上げる。名付けてぼくせん──第八回朝日時代小説大賞受賞の著者による鮮烈な最新「格闘」時代小説。
内容説明
土俵上での禁じ手から角界を追放され、後がない元力士・岩蔵。元行司・庄吉から誘われて“ぼくせん”に挑み、起死回生を図るが…!?
著者等紹介
木村忠啓[キムラチュウケイ]
1961年、東京都新宿区生まれ。学習院大学経済学部経済学科卒業。2016年、「堀に吹く風」(単行本刊行時に『慶応三年の水練侍』と改題)で第八回朝日時代小説大賞を受賞しデビュー。特技として弓道四段(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はじめさん
34
幕末、薩摩藩お抱えの力士は敗北により角界を追放された。そこへ行司を辞めた男が現れ、相撲で食えなくなったのなら、ともに西洋相撲・「ぼくせん」(オランダ語のボクシング)で成りあがろうと持ちかける。だが拳闘ではなく殴る蹴る、投げる極めるのバーリトゥードゥ…ガチで勝負するのではなく、筋書きのある、一種の芝居。そう、今日で言うところのプロレスである。相撲では目の出なかった力士や、火消しで鳴らした鳶のスター、怪力女ヒールから善玉まで綺羅星が揃った。興業を妨害するお上と、正統派勧進相撲との対立。はっけよーい、のこった!2018/02/04
そうたそ
29
★★★☆☆ じんわりと話題だったので。タイトルから江戸の相撲小説なのかと思いきや、プロレス小説。史実をうまい具合に脚色しフィクションに仕立てあげた痛快時代スポーツエンタメ(もはや何のことやら)となっている。主人公が角界を追放される冒頭のくだりは昨今の相撲業界ネタを取り入れてきたかと思ったが、プロレス団体のようなものを結成し興行に乗り出してからは完全なるプロレス小説。ヒールはいるし、女子プロレスもあるし、スポンサーシステムまでもある。対戦シーンも迫力満載で、プロレス好きなら読んでみても損はないだろう。2018/01/31
igaiga
25
手に取った時期がタイムリーだったので日馬富士を思いながら読みました(^^;) リアルに存在した人もいたのかー。最後には金に汚い人ばかり登場して「一体なんなのだー」と思いましたが、まぁ最後上手くまとまったかな。2017/12/02
もえたく
15
幕末、禁じ手で相撲界を追放された元力士が、プロレス興行を始める時代スポーツ小説。とんでも小説かと思いきや、ヒール役もいるし、バックドロップみたいな技を使うし、エキサイティングなプロレス小説でした。「ぼくせん」とはオランダ語でボクシング。2018/04/13
ophiuchi
14
図書館の新刊コーナーより。明治維新直前の江戸で、勧進相撲の土俵に上がれなくなった元力士が新しい興行に挑戦する。漫画化するともっと面白くなりそう。2018/02/10