妄信―相模原障害者殺傷事件

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妄信―相模原障害者殺傷事件

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022514776
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

死者19人、重軽傷者26人を出した戦後最悪の殺傷事件はなぜ起きたのか──。「朝日新聞」連載・記事を書籍化。数々の証言から容疑者の特異な行動や思考の背景を検証するとともに、社会に根強く残る障害者への差別意識についても報告。

内容説明

「障害者は不幸しか生まない」「自分は救世主だ」―死者19人、重軽傷者27人。平成最悪の事件が映し出す社会の闇。取材ルポから浮かび上がる加害者像、問われる差別の実態に迫る。

目次

第1部 妄信(軌跡;沈黙する遺族 語った遺族;精神鑑定を経て起訴;事件は防げなかったのか;揺れるやまゆり園、建て替えをめぐって)
第2部 ともに生きる(事件が投げかけるもの;差別の現場;障害のある子を持つ家族の思い;ともに生きるとは;互いに頼れる社会に)
名を伏せて

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

64
2016年に障害者施設で19名の入所者が殺害された事件の取材録。家族には「あの子がいなければ」と「あの子がいてくれたから」という気持ちのせめぎ合いがある。障害をきれいごとでは受け止めきれないことを認めつつ、与えられた命を精一杯生きることは尊いと踏みとどまります。 どんな人でも人生の最後に動けなくなる意味で、障害者と健常者はなだらかにつながっている。健常者も障害者も、いつか自分が社会にとって不要な存在になる恐怖を抱えている。だからこそ連帯し、依存し合える社会を創れないかとする熊谷晋一郎氏の提言で締めます。2020/01/28

s-kozy

63
2017年6月発行の本書は2016年7月26日に相模原市の津久井やまゆり園で起きた殺傷事件についての朝日新聞の報道をまとめ、加筆・修正したもの。植松容疑者がなぜあのような凶悪な犯行に及んだのか、まだわからない。私達の社会があの犯行を生じさせてしまったのはなぜか、答えを追究し続けなければならないだろう。オスロ大学のエリクセン教授「自らにとって『不健康な要素』を取り除き、社会を『純化』したいという意図を感じる」(120頁)。「『障害者には生きる価値がない』との考えは、欧州のイスラム教徒や少数民族に(続く)2019/08/31

おかむら

50
事件から1年、19名もの命が奪われた凶悪事件にも関わらず当初の過熱報道から段々トーンダウンしていった感。加害者の異常性は今後の裁判で明らかになるかもしれないが、被害者や遺族のそれぞれの人生はどんなものだったのか。取材者の葛藤やためらいがそのまま、自分の常日頃、障害者への無関心または遠まきに避ける態度や心の底にある優生思想を突きつけられてるようで読んでて辛かった。2017/07/25

羽衣 空

44
犯人、被害者、被害者の家族、報道…置かれた立場、どこに重きを置くかによって意見がわかれる。難しい。ただ、このような事件があったという事実を風化させてはいけないと感じた。2018/11/13

のんすけ

43
相模原のあの事件を朝日新聞社が取材を通してわかったこと、考えていることをまとめた一冊。衝撃の一報から被害者が公表されないまま取材した苦労話、障害者を差別する優生意識、そして実名報道で懸念されるネット民のモラルのない被害者家族たたき。障害者との共生が言いたいことだとはわかったのだが、実名報道の是非に走ってしまっているのが、ルポとしては残念。新聞社としての矜持はわかるけれど、実名がなくてもここまで迫れた、と完結して欲しかった。図書館本。2018/02/05

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