ゼロ・アワー

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  • サイズ B6判/ページ数 322p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022514547
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

タンゴにしか興味がない孤独な殺し屋<ハムレット>。
その男に両親と弟を殺され、一人生き残った少女、ヒロミ。
ブエノスアイレスに住む唯一の肉親である日系二世の祖父に引き取られた少女は、家族の復讐を果たすため、人の殺し方とタンゴの踊り方を覚えてゆく。
「あの男を殺して、人生の一部を取り戻す」。それだけが彼女の生きる目的となった。
やがて彼女は<ロミオ>と名乗る凄腕の美しい殺し屋に成長する。
アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた血塗られた復讐劇はどこへ向かうのか?

全編にちりばめられたタンゴという音楽とシェイクスピア作品への深いオマージュ、破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。
ピアソラの「タンゴ・ゼロ・アワー」を暗殺者のための音楽として崇める殺し屋ハムレット。
タンゴのステップを踏むように踊りながら殺す、いかれた女殺し屋ロミオ。
東京とブエノスアイレスを舞台に、ロミオとハムレットの壮絶な闘いが幕を開ける――。
読みはじめたら止まらない、圧巻のノンストップ・ジェットコースター小説!
美しく、激しく、そして息苦しいほどの切なさが胸を打つ、傑作ノワール長篇、誕生!


中山可穂[ナカヤマカホ]

内容説明

殺し屋に家族全員を殺され、ただ一人生き残った少女は復讐を誓う。その男にたどり着く手がかりはタンゴとシェイクスピア。東京とブエノスアイレスを舞台に、“ロミオ”と“ハムレット”の壮絶な闘いが幕を開ける。アルゼンチン軍事政権時代の暗黒の歴史を絡めた復讐劇はどこへ向かうのか?タンゴのリズムに乗せて破滅へとひた走る狂気のような疾走感、切なく痛ましい殺し屋としての宿命。美しく、激しく、圧倒的な切なさが胸を撃つ、著者新境地のノワール長篇。

著者等紹介

中山可穂[ナカヤマカホ]
1960年生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

109
タンゴを踊る美貌の殺し屋ハムレット。彼に両親と弟を殺された10歳の少女新垣広海は、アルゼンチンに住む祖父に引き取られる。その祖父には大きな秘密があった。広海が大人に育つとき、ブエノスアイレスに復讐の銃弾が舞い、男と女がタンゴで舞う。中山さん初めての非恋愛小説で犯罪小説だけど、登場人物は、彼女がこれまでずっと描いてきた刹那的な悲しさをどこか湛えている。そう広海はまるで王子ミチルのようだ。2018/12/24

ゆみねこ

88
夏休みのバレエ教室の合宿中に、両親と幼い弟をプロの殺し屋・ハムレットに殺害された広海。アルゼンチンの祖父のもとに引き取られ、やがて彼女もプロの殺し屋になり復讐の機会を狙う。面白かったけれど、もうちょっと殺し屋の元締めのことや組織のことが知りたかったかな。猫のアストルが良い味でした。2017/04/09

keroppi

74
「ビブリア古書堂の事件手帖7」から偶然の繋がりで、シェイクスピア! こちらは、シェイクスピアをモチーフとした殺し屋たち。アルゼンチンタンゴの扇情的でなぜか悲しげなリズムが全編に流れながら、テンポ良くストーリーは展開し、ページをめくる手が止まらない。復讐は、何も救いにはならないということか。猫や料理もいい味を付け加えている。確か週刊文春の書評で見つけた初読み作家さん。ラスト、多少不満は残るが、映画を観ているような味のあるエンタメ作品だった。2017/07/25

モルク

68
殺し屋に家族全員を殺され、たった一人残った少女広海。祖父の住むアルゼンチンのブエノスアイレスに渡り、平穏な生活を送るはずが、祖父の過去を知りそして共に復讐を誓う。次第に二人が深みにはまっていき堕ちていく姿は辛い。なかなかのハードボイルドである。が、そこにはアルゼンチンタンゴが有効に使われている。余韻の残る演出だ。だけど女刑事はどうなったのかな。2017/05/23

さっこ

58
殺し屋「ハムレット」そしてハムレットに家族を殺され一人になったヒロミ。そしてヒロミは復讐に立ち上がる。タンゴやシェークスピアがきれいになぞられていてノワールさが際立っていました。殺し屋としての宿命。切なさと疾走感が良かったです。

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