出版社内容情報
主宰者&大澤真幸氏、安藤礼二氏ほか豪華ゲスト陣による「課題と回答」、同塾のドキュメント、批評家チャート図など充実の内容。
内容説明
新世代の批評家を育成する新たなシステム。
目次
第1部 批評再生塾第一期の軌跡(対談 批評を再起動するために;第一期講師陣による課題と回答;ポスト昭和はどこにあるのか;昭和の亡霊、終わりなきリズム;「ポスト映画の世紀」に、「映画(批評)」は再起動できるか ほか)
第2部 再起動する批評(座談会 批評は一人でやるもんじゃない;第一期総代書き下ろし In The Place To Be ECD)
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
64
東浩紀と佐々木敦が主催する批評家育成塾の記録。批評家たちが講師で宿題を月一で提出してもらいネットで公表し採点するという企画があったそうだ。そんなものあったのかあ。一年かけて最優秀者を決定するまでを座談会なども含めて収録。多様な講師批評家たちの例を楽しむ。滅びかけている批評を蘇らせようとする熱意と野望に感心した。選考項目にはプレゼンテーション能力もあり、喋りも考慮される。「10年後の小林秀雄を」と。収録の総代作品はヒップホップ論。良書。2018/01/21
ころこ
23
現在運営されている「批評再生塾」の手探りであった1期をまとめた本です。現在よりも洗練されていないので、かえって運営のコンセプトが際立っています。東は、ある題材を借りてきて、その題材でいわれている以上の展開を論じてみせるという批評観です。他方、佐々木は彼の冗長な文章が端的に表しているように、ある強力な言説であったとしても何でもいいからさらにそこに言葉を重ねていくという批評観です。批評観の違うふたりが一致しているのは、批評は一旦潰えたという危機感です。批評の再生にはひとりの才能の出現に期待するのではなく、歴史2018/09/30
しゅん
17
各分野の批評家達の講義を受け、批評文を提出し講評を受ける。このサイクルを一年間繰り返し、総代を決める批評再生塾。講師となった13人の模範解答が掲載されており、其々の批評感の違いが楽しめる。個人的にはさやわかと細馬宏通の文章にグッときた。加えて、再生塾一期のドキュメントと佐々木・東に一期総代吉田雅史を加えた座談会がすこぶるおもしろい。死に体となった日本の批評文化を再生する為の、コミュニティの力。これは東が新刊で描いた「家族」の概念にも通じている。結果産み落とされた吉田の鋭いKOHH論、ECD論も必読。2017/04/27
たろーたん
1
批評「例題集」としても使えるかもしれない。「現在はポスト昭和が続いている。これは昭和の延長線上にはないと思う現代の事象を一つ取り上げ、その作品評・現象分析をコンパクトに行い、ポスト昭和の想像力に誘うような、説得力のあるものを書け。必ず昭和とは何かの定義も入れること」「映画的なものと、映画的でないものの違いを指摘し、両者の価値を論じよ」「最後の一行まで手に汗握り、ハラハラしながら文章を追うようなサスペンスフルな批評を書いてください」(続)2024/12/25
yoyogi kazuo
1
批評塾のドキュメントだが、各講師の出す課題とその模範回答がどうも読んでいてつまらない。これが模範的な批評というなら自分には縁のないものだと思った。生徒の出したものは今は読めないがどうなのだろう。2024/04/27