出版社内容情報
書店の店長をしている立石花は、15歳の時に、父親が借金を作って夜逃げし、母親は新しく出会った男性と結婚をすることになり、一家離散を体験する。一緒に暮らそうという母親の説得を断り、千葉県の船橋に住む親戚の奈美おばさんのマンションに身を寄せることになるのだが、大好きなお母さんと船橋の駅で別れるときに買ってもらった「梨の妖精 ふなっしー」のぬいぐるみを15年経った今も大切に持っている。
花が奈美おばさんのマンションで暮らすようになって間もなく、小さな女の子が出てくる不思議な夢を繰り返し見るようになる。その夢の中の女の子もまた、「梨の妖精 ふなっしー」を愛するひとりだった。花はいつも「温かいミルクティーを飲んだ」ような優しい気持ちになって目が覚めるのだった。
悲しい出来事があって泣きながら寝た夜のことだった、いつもの少女が夢に出てきて、花に頼みごとをする。それは「自分が住んでいた庭にある桐の木の下に埋めたものを掘り起こして、お父さんに渡してほしい」というものだった。
夢から覚めた花は、奈美おばさんに、この不思議な夢のことを告白すると、過去にこの部屋でおきた出来事を教えられる。そして、夢の中に出てくる少女との約束を果たそうと決意するのだが……。
朝日新聞に連載中から大反響、あの「ふなっしー」も帯文を寄せている長編小説、ついにこの秋、出版! !
内容説明
借金を作って逃げた父。新しい恋人と結婚することになった母。12歳の私は、独りぼっちだった…。
著者等紹介
吉本ばなな[ヨシモトバナナ]
1964年、東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年「ムーンライト・シャドウ」で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。諸作品は海外三十数カ国で翻訳、出版されており、イタリアで、93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞“Under35”、99年マスケラダルジェント賞文学部門の三賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
starbro
風眠
takaC
美登利
-
- 和書
- 明月記の史料学