出版社内容情報
【文学/その他】マリー・アントワネットの立場から見るフランス革命。愛人フェルゼンが綿密に計画を立てた王家の亡命が失敗しなければ、歴史は変わっていた。運命を狂わせた一日、ヴァレンヌ逃亡事件物語と絵でひもとくアントワネットの魅力。
内容説明
亡命失敗、フランスに王がいなくなる日。刻々と迫る断頭台への道程。革命に翻弄された王妃の真実とは?―。
目次
1章 運命の六月二十日
2章 緻密に、大胆に
3章 脱出の夜
4章 フェルゼンを欠く
5章 「王が拉致された!」
6章 急がぬ旅
7章 踏みつけられた者の怒り
8章 追いつめられてゆく
9章 真夜中のヴァレンヌ
10章 運命の回転
11章 王は不動
12章 ヴァレンヌの朝
著者等紹介
中野京子[ナカノキョウコ]
作家・ドイツ文学者、早稲田大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
46
フランス革命前後を舞台にした歴史小説といえば、直木賞作家の佐藤賢一氏が浮かびますが、中野さんもなかなかのもの。ギロチン処刑につながったルイ16世夫婦のヴァレンヌ逃亡劇をつぶさに追ったのが本作。王妃の側近フェルゼンやラファイエット侯爵のエピソードが初耳で新鮮でした。米大統領選でヒラリークリントンが敗退したり、韓国では朴槿恵大統領が信用失墜したりと、現代のアントワネットたちもまた世間の厳しい視線に晒されています。「いつの時代も男より女に対する反感のほうが過激になりやすい」という格言は正しい気がしますね。2016/11/13
うーちゃん
23
バスティーユ陥落後、国王一家はパリからの逃亡を計画・実行するも、目的地を目前にしたヴァレンヌで逮捕される―。世界史の教科書では、ほんの1行で済まされる“ヴァレンヌ事件”。なんて、なんて ドラマチック!人物の心境などは脚色もあるだろうが、関係者の残したメモや手紙などの資料を綿密に調べ、“運命の6月20日”の 可能な限りの再現に成功している。“ロココの薔薇”から 憎むべき“赤字夫人”へと 国民の人気を凋落させたアントワネット。自身の破滅が近づくにつれ、王妃としての成長をとげてゆくのが興味深く、また、切ない。2014/03/01
たらお
22
革命の怒濤の波に危機感を覚えたフランス国王ルイ16世と王妃マリー・アントワネットは、1791年、スウェーデン貴族フェルゼンに助けられ、重警備のパリから変装して逃亡するが、目的地まであとわずかの僻村ヴァレンヌで見破られ、屈辱の逮捕、そして憎悪のなかパリへ護送、という最悪の結末を迎えた。これが、世に言う「ヴァレンヌ事件」である。追う側追われる側の緊迫感と、中野氏の人物の構図を明快にした解釈は、この時期のフランスやブルボン王朝のことをもっと知りたくなる。力量のある作家さんだと思う。2018/10/05
ゆうゆうpanda
21
フランス革命の周辺知識が欲しくて読了。あの時こうしていればの連続が歯痒く、悲しい。2019/08/29
クサバナリスト
17
佐藤賢一『小説フランス革命』を読んでいたので新鮮さはなかったが、その復習という感じで、小説とは違い、客観的に逃亡事件を捉えることができた。ラファイエット、フェルゼンのその後も知れて良かった。2015/09/23
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