獅子頭(シーズトォ)

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  • サイズ B6判/ページ数 452p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022508942
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

巨大な肉団子「獅子頭」が評判で、貧農の子・二順は日本の中華料理店へ。食、言葉、恋愛など中日文化差の狭間で、次々と困難な出来事に遭遇する、誰も読んだことがない成長小説。大連に残してきた妻子と日本人の恋人との間で揺れ動く、料理人・二順がたどる人生とは―。

著者等紹介

楊逸[ヤンイー]
1964年、中国黒龍江省ハルビン生まれ。1987年、留学生として来日し、お茶の水女子大学文教育学部地理学科卒。2007年、「ワンちゃん」で第105回文學界新人賞受賞。2008年、「時が滲む朝」で第139回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そうたそ

43
★★★★★ 巨大な肉団子「獅子頭」が評判となり、日本の中華料理店で働くこととなった二順。妻子を母国へ残しつつ、日本で出来た恋人との関係に悩むことになる。食、言葉等の文化の違いに直面しつつ、二順が成長(?)していく姿を描く青春小説。何かがすごくいいという訳でもないのだが、ずっと読んでいたいと思える心地よさのある作品だった。とはいえ、優柔不断なくせに身勝手な二順には終始イライラしてしまったが、雲紗や幸子ら女性の強さが印象的でもあった。こんないい人たちばかりに囲まれて二順は幸せものだと思う。2016/01/18

なゆ

10
途中までは、中国農村出身の二順が、雑技団そして中華の料理人と自分の人生を切り開いてゆくサクセスストーリーのように読んだ…のだが、日本に料理人として招かれてからのグダグダっぷりにハラハライライラ。もともと口下手なうえに日本語もままならず、しぶしぶ頷いているうちに…。けれど、ちょうど中国が大きく変化していく時期に、愚直なまでに厨房で働いているうちに、取り残されてしまったのか。すぐ政治犯だ、恐ろしい資本主義だ、売国奴だとオロオロしている事にびっくりする。中国人から見た日本、というのも見えるのが面白い。2012/07/10

ほっそ

10
日本人には理解しがたい主人公とその同僚の思考回路ですが、文化大革命という恐ろしい時代の経験者なら仕方がないかもしれないなあ。彼女の作品、ずっと読んでいるけど、翻訳でなくこういう作品を読めるようになったこと、感謝したいです。あとがきで、彼女が来日したばかりのエピソードも知りました。今後もいい仕事してほしいです。 2012/05/01

kyoko

3
中国人作家だからこそ書ける物語ですね。主人公・二順は、運に恵まれながらもそれを活かしきれないちょっとダメな人だけど、憎めない。美味しそうな料理がいろいろ出てきたのは楽しかった♪場当たりてき人生を送る二順だけど、人間関係には恵まれているから、こんな調子でも案外幸せに今後も生きていくのかなぁ~?厚い本だったけど楽しく読めた(^^)2012/04/14

ばー

3
『時が滲む朝』で芥川賞を受賞した中国人作家・楊逸の長編小説。主人公の二順(アーシュン)という奴には、「二順!それでお前はいいのか!」と思わず怒ったり、全くもって世話のかかる、見ているこっちがハラハラする奴なのである。二順は物語の始めから終わりまでほぼその生き方、考え方を変えることは無い。びっくりするほど成長しない。成長しない成長小説。異国人が書いた日本の小説だが、その人の成分が日本人と根本的に異なるとこういう小説が描けるのではと思い、そんなものは無いという前提の上で、日本の小説って何?と頭の中が袋小路に。2012/03/05

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