内容説明
3月11日、午後2時46分―。大震災、津波、原発事故絶望の淵に立った…。福島で生まれ育った詩人が、様変わりした故郷への葛藤を抱えながら、福島に住み続ける人々の“声”を聞き、失われた日常を取り戻す。ツイッターで話題となった『詩の礫』から一歩踏み出し、新たな“希望”を見いだすために書き下ろされた言葉たち。
目次
決意
邂逅
―対話 ある店主
3号機爆発 それから
邂逅2
―対話 ある公務員
雨よやさしく
邂逅3
―対話 ある60代の女性
短い暮らし
邂逅4
―対話 ある20代の青年
放射能
邂逅5
―対話 あるアナウンサー
私たちは鳥のさえずりを聴くだろう
邂逅6
―対話 ある博物館学芸員
果肉の奥の桃に
邂逅7
―対話 ある高校教師
はるか はるか
君は何をさがす
著者等紹介
和合亮一[ワゴウリョウイチ]
1968年、福島県生まれ。詩人。国語教師。「六本木詩人会」代表。1999年、詩集『AFTER』で第4回中原中也賞受賞。2006年、詩集『地球頭脳詩篇』で第47回晩翠賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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寛生
49
【図書館】「福島を生き、愛し、あきらめず、信じ、歩く」詩と和合が福島の人達と交わした対話が交差する。「『詩の邂逅』は、震災後の福島に暮らしている私が私自身を回復させ、取り戻していくに至る時間の中で、常に求めてきためぐりあいの時を総称するものである。」(6)福島の「涙のしずくで洗われた」ようなコトバが溢れ出る。こちらからも水俣、沖縄、福島ー日本株式会社の影/犠牲を想う。福島の人たちが感じたことのない涙のしずく。あの大震災、そして引き続く原発事故で、それまでに信じてきたことがガタガタと崩れなくなってしまう。2014/06/09
aoi
3
小さな幸せという言葉がある。その「小さな」は量を表しているのではなく、身近さ、心からの距離を表しているのだと思う。その反対としての「小さな不幸」が綴られる。簡潔に書かれていても、その生々しさに心打たれる。また、詩とは何なのかを考えさせられる。要約、感想。そんなものとイコールではないにしても、それに近いものも詩と言われうるのか。2015/04/14
はるしにゃん
2
震災をテーマにした詩。震災という事件を前にしてここまで陳腐な言葉しか紡げないのか、というのが正直な感想。詩的言語の愉悦はなく、ほとんど作文の域であるように思う。2012/03/13
鈴木律
1
東日本大震災から数カ月後、原発事故で避難した人々へのインタビューと、和合さんの詩が交互に並べられている。市井の人々の思い、頑張り、強さを感じる。2017/09/08
おのゆみ
0
福島県出身の詩人、および、プロジェクトFUKUSHIMAの代表、和合亮一さん。和合さんと福島で被災された方との対話から、3.11の“リアル”を少し知ることができた気がする。2012/01/30




