内容説明
まどろみから目覚めると、見知らぬ世界が広がっていた。白い猫に誘われ、記憶の底に消えてしまったあなたと、いつかのわたしに会いにいく。時空を超えてめぐり会う、彼女たちのピュア・ストーリー。
著者等紹介
中島桃果子[ナカジマモカコ]
1979年生まれ。2009年、江國香織氏の選考によって『蝶番』が第4回新潮エンターテインメント大賞を受賞。小説家としてデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バニラ風味
20
図書館の「笑う」という特集コーナーにあったので、タイトルにも惹かれ借りて見たのですが…。自分が、自分の知っているいろいろな人になってしまったり、どうして、そうなってしまったのかわからない。という展開続きで、不思議としか言いようがなかったです。夢と現実の境界が曖昧で、あやふやな、つかみどころのないような、ふわふわした世界観。私にはよくわからなかったのですが、理性ではなく、感覚で読むと良いのかも知れません。2016/01/19
冬見
12
妊娠に気づいた"こうこ"は、緩い微睡みのなか小さな扉を見つける。温かく少し寂しい、おとぎ話みたいな旅。迷い、翻り、愛し、遠ざかり、また元の場所へ戻って行く。懐かしいような気持ちになる、不思議な物語。ふとした瞬間に、とてつもなく美しい一文に出会う。またいつか読み返したい。2017/02/10
スノーシェルター
6
一気に読まないと話が見えなくなると思い、読みきる。寂しい女性の波乱万丈な人生を客観的になったり、女性そのものになったりしながら、話が進む。えっと…夢?誰?何処?と混乱しつつも、整理しながら読んだので、若干疲れた。2010/10/23
ともも
4
イミフな物語。私には無理。2010/11/03
長老みさわ/dutch
4
アイデンティティクライシスに陥った女性が一瞬垣間見た白日夢のような。あるいは、生まれ変わる時に忘れる筈の別の人生の記憶の断片が巻き起こした夢のような。あるいは、「本当の過去」と想像の「過去」とが熔けあって再構成されたかのような。 三人称で語られるけれど主人公の頭の中だけで起こる、長いようで一瞬の旅の物語。かな? 「まえがき、あるいは長いタイトルの続き」が最初「何??」と思ったけれど、読み終わって冒頭を読み返すとすごく座りがいい。2010/10/19