感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
108
殺処分される犬は年間8万匹超。「抱っこさせたら勝ち」商法が成り立つ日本。繁華街で深夜まで営業してるペットショップ…明らかに酔っ払った勢いで買って行く客を当て込んでの営業。売っているのが命である自覚はないのだろう。5〜6週間で親から離されオークションで売り買いされペットショップに並べられる仔犬たち。売れ残ると保健所へ持ち込まれ殺処分となる。ドイツの「犬法」が素晴らしい。8週齢規制、8週齢未満で母犬や生まれた環境から引き離す事は禁止されている。日本の現状はドイツと程遠いが、まず生体を扱う業者やブリーダーの2014/11/07
たまきら
31
ほぼ10年前の本ですが、気持ちがこもった綿密なリサーチに唸ってしまいました。困惑気味の表情をした表紙の犬は、多分もうこの世にいないでしょう。「より多くの人に好きな犬種を」「より多くの市民を助けたい」…そんな「善意」のかげに、限界を超えて繁殖させられたり、もう飽きたからという理由だけで捨てられる存在がある。巻末の資料を見て驚くのは、半数以上の捨てられた犬が純血種だということ。高いお金で購入したんだろうになあ。…重いですが、一読の価値がある本です。ただ、ネコへの視点が皆無なのは悲しかったかなあ。2019/06/21
Rin
28
【図書館】日本人の道徳心って??ペットは道具で消耗品なの?と唖然とさせられる現実ばかり。ボランティアで愛護センター内の収容所に行くこともあるけれど、知らない闇の深さに愕然とさせられます。生き物は育つもの、育って売れないから殺していい理由にはならない。成犬の良さを伝えるのも仕事では?引っ越すにしてもペット可の住宅もある。もっともっと命を預かる、幸せにしてあげるっていう責任感が必要だし、ドイツような国と日本の現状を色んな人に知って欲しい。乱暴でも捨てるなら自分が殺したという実感が必要なのかもとも思わされる。2014/12/02
ちさと
27
本書の調査時2008年度の全国の自治体に引き取られた犬の数は11万5797匹(うち殺処分8万4045匹)。調べてみた所2017年度は引き取り数3万8494匹(うち殺処分8366匹)。出版以降法整備、ボランティア、自治体、倫理感などかなりの部分で改善が見られたようです。今は犬の価格もかなり高額になっているし、善意あるペットショップでは高齢の方にはお断りしたり、育てにくい犬種は繁殖しないように制限していると聞きました。殺処分0になる日がきますように。2019/01/30
ひみこ@絵本とwankoが大好き♪
27
何度涙がこぼれそうになったことか・・・飼い主の身勝手な都合だけで、殺処分される犬や猫。特にひどいのが「捨て犬の日」の章。飽きたから、家族に噛むから・・・などのとるに足りない理由で処分されるペットたち!悲しくて悲しくて、やりきれない気持ちになりました。どうか熊本市のように殺処分0の街をもっともっと増やせるといいのに・・・でも、そういう私も今はまだ自分の家の犬を愛することしかできず・・・もう少し自分に余裕ができたら、犬たちのために動きたい!と切に思いました。2013/07/30