内容説明
いつかが今になって、愛ネコは18歳で逝き、時は流れ、禁煙も余儀なく、ぐるりと見渡せば、まったく、うんざり。それでも…ペンは止まらない!果敢に続く面白目白雑録。第3弾エッセイ集。
目次
三度目のはじまり
オーラの正体
「ガットゥーゾだったら顔面にあたっていたね」
菊池寛の呪縛
時代錯誤について
死後の世界
不快な十二月、あるいは物忘れ
フットボール日記
感冒日記
ペギーの「まやかしの世界」、その他〔ほか〕
著者等紹介
金井美恵子[カナイミエコ]
1947年、高崎市生まれ。群馬県立高崎女子高校卒業。67年「愛の生活」が太宰治賞候補作となる。同年、現代詩手帖賞受賞。79年『プラトン的恋愛』で泉鏡花文学賞受賞。88年『タマや』で女流文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
8
〈トラーがいないと、本当に本当に、とてもつまらない〉…かなしいではなく、つまらない。いなくなってしまった事が、記憶の中だけのものになってしまった事が。つまらないと言う。いない事を思う時に湧く感情を。このつまらない、が酷く慕わしい。そして今回もやはり怖かったり痛快であったり。見苦しい緩みや余分を作らぬその鋭さ、その敏さ。毛羽立つ事、粗さを許さぬその繊細さ。その抜かりのなさによって決してほつれる事のない強靭なものとなる連なり。何と言うかチクチク。不快さを含む手触りを象るそれではないチクチク。チクチクと緻密に。2015/12/15
モリータ
8
ちょうど2006W杯のときの話があっておもしろかった。人間(の集団)て変わらないもんだなーと思った。老猫トラーの最期の晩餐のところもよかった。でもいじわるだから次読むのはまたたまたま古本屋で見つけた時でいいな。2014/06/23
仮ッ子
4
批判の嵐。揺るぎない自信がなければああはコキおろせないよね・・・ちょっと読むのに疲れてしまったが、ポニョと意外な共通点のある歌には笑った2009/05/30
garth
2
華麗にディスられてしまった。「不出来な翻訳のハードボイルド調」ディスられてはじめてわかる比喩表現の巧みさ(笑)。2009/04/23
にゃら
1
何度も読み返したいエッセイ目白雑録シリーズ。批評は豊かな言語感覚が最も必要とされるのであって、多面的でユニークな視点や主張はもちろんまったくなかったらそもそも書かれないわけだが、金井美恵子のエッセイは批評のあるべき姿だと思う。2018/02/28
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