出版社内容情報
ノーベル物理学賞を受けた「小林・益川理論」。この理論と、その検証のためにつくられた巨大施設を過去10年ほど丹念に取材してきたのが、立花隆だった。カラー写真・図版を駆使して、難解な理論をやさしく解説する。
内容説明
小林・益川理論はなぜノーベル賞を受けることができたのか。それが正しいと証明されたからである。証明されない理論は、そういっては何だが、ほとんど紙くずに等しい。その意味で本当にノーベル賞をとったのは、2人の理論家プラス2人の理論を証明した実験物理学者たちである。その実験物理学者たちはどこにいるのか。ノーベル賞委員会のプレスリリースにその名前がはっきり記されている。日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「ベル」チームと、アメリカ・スタンフォード大学の「ババール」チームである。両チームは、1999年の実験開始から、世界の物理学史上最も激烈といわれる抜きつ抜かれつの競争を繰り広げた。そして2001年、両者はほぼ同時に小林・益川理論の正しさを証明した。
目次
1 小林・益川理論のノーベル賞受賞から何を学ぶべきか
2 消えた反粒子の謎に迫る(「ノーベル賞にいちばん近い」理論の検証;「極限技術が生んだ現代最大最高のマシン」;世界有数の加速器の担い手たち;ゴミの山から針一本の「宝」を見つけだす;我々の存在の根源を探究する;確度を求めて、もっともっとデータを;激烈な競争の中で進む研究;日本の科学ジャーナリズムはどうなるのか;基礎科学こそが、実用技術の極限を担う)
3 小林・益川理論を証明せよ!
著者等紹介
立花隆[タチバナタカシ]
1940年、長崎県生まれ。64年、東京大学文学部仏文科卒業。文藝春秋入社後、東京大学哲学科に再入学し、評論・作家活動に入る。「田中角栄研究―その金脈と人脈」(『文藝春秋』74年11月号)によって、大きな衝撃を与えた。人文科学、社会科学、自然科学の幅広い分野でめざましい活躍を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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i-miya
月をみるもの
ne_viderem
黒豆
koji