内容説明
『それから』『門』『こころ』『明暗』…なぜ三角関係を書き続けたのか!?運命を変えた若き日の恋心をさぐる評伝エッセイ。漱石をめぐる12人の女たち。
目次
1 漱石が熱愛した女―大塚楠緒子
2 漱石が好感を抱いた女たち(日根野れん;咲松;小勝;登世;井上眼科の待合室で会った女性;前田卓子;鰹節屋の御神さん;吉永秀;磯田多佳;おゑんとぽん太)
著者等紹介
河内一郎[コウチイチロウ]
1940(昭和15)年、東京生れ。44年、山梨県に疎開。山梨県立甲府第一高等学校、中央大学商学部卒業後、缶詰製造元・総合食品商社の株式会社サンヨー堂入社。同社に38年間在職の後、退社。高校時代からつづけてきた漱石研究のテーマを“食”に絞り、調査を開始。神奈川近代文学館・友の会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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たくのみ
16
「眼科の女性」はフェイクであり、照れ隠しだった、研究者たちが指摘する「漱石の浮気」は妄想。「女性問題と病気は直接関係ない」というのが河内さんの意見。おもに大塚楠緒子さんという漱石憧れの女性についての考察。学生時代から夢中になる漱石。しかし、親友・平塚に先を越され、意地と友情の板挟みで、失意の中愛媛に旅立つ漱石。「悪妻説も誤解である」に私も同感。2015/11/17
わたし
8
夏目漱石が恋をした女性を探る本。自分の知られたくなかった過去の恋愛遍歴さえも研究の対象となる事に、ハイジの作者ヨハンナ・シュピリがそれを嫌がり死の前に自分の日記や手紙を全て処分したというのも頷けるなぁと思いながら読了。体のいいゴシップを読んでいるようであまり楽しくはなかった。2013/06/26
6 - hey
5
死んだ人が誰を好きだったなんて、わからないんじゃないかなぁ~。2013/06/07
mutuki
4
漱石はわりとあけっぴろげでなんでもかんでも オープンにするところ多かったけど、 自分の恋愛に関しては、あまり語らなかった。 ただ美人が好きなのはすごくよくわかる^^;2018/05/10
遠藤三春
4
漱石が愛した、と考えられているマドンナ達について。大塚楠緒子についてがやっぱり一番多くページが割かれてますね。次点が日根野れん。ただ、紹介されている女性全てに恋愛感情もっていたかどうかは微妙でしょう。会った女性に一々恋愛感情持つわけないと思うし。少し手紙に触れただけで、逆に全く触れなかっただけでも一々勘ぐれちゃうんだから、研究って難しい。2011/09/09