出版社内容情報
世の中が戦争へと向かう中で、朝日新聞は何をし、何をしなかったのか、そして、なぜそうなったのか――。体験者たちの話や掘り起こした資料などをもとに、朝日新聞が自らを検証。1年間に及んだ渾身の連載が一冊に徹底的に凝縮!
目次
それぞれの8・15
植民地朝鮮で
飛行機物語
イベントは過熱する
カメラマンの話
戦場の記者たち
女を集める
社論の転換
満州開拓
南方への進出
表現者たち
ニュース映画
販売の前線
政経記者たち
南京
護国第4476工場
地方紙
緒方竹虎の道
子どもから少国民へ
ナチス・ドイツで
戦時統制
写真を処分せよ
戦後の再出発
特集編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
funuu
13
明治維新が成立した時に日本は欧米特にロシアの南下に恐怖した。やがて幸運も重なりアジア一の強国になった。朝日新聞新聞も日本の拡大とともに巨大な組織になって行く商業軍国主義から商業GHQそして商業左翼。常に 利について生きてきた組織。正義の味方ではない。権力の暴走を防ぐという旗はたてている。安倍政権打倒もその感覚。まだそれを喜んで読む層が顧客。何かの権力の暴走には役にたっているのだろう。新聞自体も権力のひとつ。2018/09/23
A.Sakurai
3
ロシアのウクライナ侵攻までの経緯が日本の大陸侵略にそっくりなんだが,それぞれの国内世論の雰囲気も同じだったんじゃないかと思いついて読んでみた.国際協調論も載せていた大手新聞が論調を戦争推進に揃えたのは満州事変が大きなきっかけだったという.その原因をいろいろ上げているが,世論が圧倒的に戦争支持だった事が大きい.それは戦争で苦労して得た大陸権益は守らねばいけないという意識から中国との角逐が頻発したことと,中国蔑視が空気になっていたことによる.すると日清戦争にまで遡る.2022/04/04
takao
2
ふむ2023/11/06
kokoko
1
2007,08年、朝日新聞夕刊に週5で一年間長期連載された記事をまとめたもの。関東大震災から昭和27年頃まで、記者達を中心に、新聞が支援した女性団体、新聞販売店、植民地の新聞、ナチスとの関係その他、広範な取材を様々なテーマに沿って紹介。印象的だったのは多くは検閲と戦わず、そのことを自己弁護する人々もいたこと。軍に逆らえば……とはいえ「凡庸な悪」の言葉も浮かぶ。資本主義下の新聞が世論と戦うのは難しく、なし崩しに軍に従う、というだけでなく『むしろ国民の感情を先取りして、それをあおった』(p.564李想哲氏)2020/09/28
nakajiee
0
今更ながら読了。言いたいことをあ言えないもどかしさとその時代の社会的背景を痛感。ただ今特定秘密保持法案の参議院審議中。2013/12/05