内容説明
史伝文学の傑作。明治天皇生誕から維新まで、激動の時代を描いた畢生の大作、待望の普及版刊行。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひこまる
7
山田風太郎「同日同刻」ラストを飾る名文に感銘して大佛次郎の大作に挑戦。まず、あの複雑に絡み合った幕末維新史を膨大な史料から丁寧に掘り起し、比較的平易な文体で今読んでも新鮮な視点(宮中での皇子(後の明治天皇)生誕に係る種々の行事、有職故実から、南部藩の大量逃散、清国での主として阿片を巡る西洋列強の動きなどなど)、何より真正面から立ち向かっているところにこの作家の巨大さの所以が分かった気がした。未完にも関わらず既刊分を全部読むのはかなり時間がかかりそうだが何とか頑張ってみよう。2012/11/25
KAZOO
2
昔中学校時代に、朝日新聞に連載されていてスクラップをして読んでいた覚えがあります。著者の死によって中断されましたが、これが完成されたらどれくらいの大作になったかと、残念でなりません。新しい版でもう一度ゆっくり読んでみようと思っています。天皇という人物ではなく体制を主人公としてその周辺に起こる出来事を様々な視点から描いてくれています。2013/02/08