出版社内容情報
水没都市Q市の沖合いに浮かぶ人工島「アクアポリス」。
この水上都市が建造された背後には、国家規模の陰謀を
封じる仕掛けが隠されていた。Q市壊滅のため、伝説の牛鬼を
召還しようとする政府の要人たち。その計画を阻止するべく、
現われた女設計士「J」、自分の故郷を守ろうと立ち上がる少年「タイチ」。
異能の鬼才・津原泰水が近未来を舞台にはじめて挑む本格ビルドゥングスロマン。
内容説明
水没都市Q市の沖合に浮かび、シーチューブで本土と繋がれた巨大人工島「アクアポリス」。スーパー・サイエンス・スクールに通うタイチの前に、「J」と名乗る女設計士が現れ、突如「きみは濡女を見たはずだ」と告げる。年齢も国籍も不詳のこの女は、みずからを蘆屋道満の末裔、そしてアクアポリスの守護者であると称した―。愛する街を守るため、少年は立ち上がる決意をする!ジャンルミックスの奇才が放つ衝撃のビルドゥングスロマン。
著者等紹介
津原泰水[ツハラヤスミ]
1964年広島市に生まれる。二十代を少年少女向けのペイパーバック・ライターとして過ごす。1997年より怪奇小説、幻想小説を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロくま
16
SFそして、ファンタジーあり、作者独特の空気感もありの不思議な物語。まるでアニメ作品のような読み応えでした。2014/06/09
えも
13
津原さんは巧みな小説を描くイメージがありますが、この小説はまたライトな…。2016/04/08
宇宙猫
11
★★ SFかと思ったら陰陽師ものだったみたい。両方の融合がうまくいってないのがもったいない。2015/09/16
砂糖海
8
何だろう、物語そのものが濁流のように押し寄せてきて、怒涛の勢いで去っていった感じ。最後までわからない符合も少なくなかったです。もっと言葉が欲しかった。2011/07/18
碧月
7
水上都市Q、人工島「アクアポリス」、かつて見た巨大な牛と消えた少年。タイチの前に現れた謎の女「J」。Jはアクアポリスが滅びるという。守るべきもののために、彼は何ができるだろうか。SFを読みなれてないこともあって、設定を理解するのが難しかったが、アクアポリスや、ごみごみとしたスラム街「Q龍(九龍城)」の描写がよかった。スクールでの生徒同士のやり取りが好きだったので、もっと学校の様子や主人公の絵に対するコンプレックスを書いてほしかった。タイチの最後の戦い方がかっこいい。爽やかなラストだった。2013/09/21