出版社内容情報
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』12作がオリジナルのB5サイズで復活! 手塚治虫のダイナミックな描線を堪能できる大判サイズ。生誕80年を記念して、なつかしのデザインで。毎月2冊ずつ刊行予定。第2回は「ヤマト編、宇宙編」と「鳳凰編」の2冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
40
隻腕隻眼の我王は自らの運命と人の心無い蔑みにいたぶられて辛酸を舐め暮らします。蠢き燃え立つ怒りは人の血と命でしか鎮めることができず、彼は人を殺め続けます。抱く怒りと殺戮を変化させたのはが我王が助けた天道虫です。それと知らずに天道虫を殺してしまい、命を軽んじることに呵責を持ちます。その後は怒りを殺戮に向けることはなく、憤怒相の仏を創ることに自らの意味を見出しますが、彼の心の痛みはたぶん、より一層強くなっているのだと思います。いつかは死ぬ人間、その命をどう活かすのか、どう世を見るのかを強く問うてくる物語です。2019/12/06
りんご
38
大きいサイズの本で図書館に所蔵しててくれて嬉しい。生きることの喜び、苦しみ。何故生き、死ぬのか。考える能力を手に入れた我々の永遠のテーマであり業でもある。茜丸が我王に斬られる→恨む→恨みから解脱→社会的立場が上がる→欲が出る→再び妬みの感情 苦しい、でも分かる、人であることの欲が詰まっている。いやー、コマ割り、アングルの大胆なこと素晴らしい。眼福です。2022/03/12
出世八五郎
34
朝日ソノラマ版。善人が一度の過ちで理不尽にも、人間に生まれ変われないと告知され、何人もの人間を殺めた極悪人(=猿田)は生かされ続ける。ここに不条理を感じる。明治時代、清澤満之らにより世間に周知された歎異抄の悪人正気説に『善人なほもて往生を遂ぐいわんや悪人をや』というのがある。これと関係あるんではないかと思う。この場合、火の鳥が阿弥陀如来になる。悪人は阿弥陀に救われなければならない存在ゆえ生かされるが、善人は当たり前のように救われるが、善悪を分かっているのに、一度の悪をしたから救われなかったということかな?2015/12/20
紅香
31
鳳凰編は恵まれた才能を持った仏師、茜丸と生まれてすぐに左目と左手と父親を亡くした我王の生き方。この対比、この設定。政治目的で作られた仏像も見る人の心次第で仏にも鬼にも変わる。プライドか意地か?沸点を超えた時、人は空を知るのだと。毎回、深い。深すぎて言葉がもう出てこない。火の鳥の本は3冊しかまだ手元にないのですが、全巻集めたい!ぜひ、今こそ読むべきシリーズ。2020/01/12
maekoo
25
手塚治虫画伯の火の鳥シリーズで一番好きな巻である鳳凰編。 我王こと猿田が主人公で史実を取り入れつつ重厚で深い物語が展開して行く…。 遣唐使として大陸で学ぶ学者政治家吉備真備や政治手腕を発揮した初代橘氏である橘諸兄、東大寺の初代別当良弁僧正等歴史上の人物も登場し、黎明編のエピソードが書かれた古文書も出て来る! 良弁の巡礼から大仏開眼までこのシリーズのテーマである「命とは」「生命とは」「生きるとは」と言う人類の永遠の哲学的テーマをダイナミックに且つ物語性を持って読者に突き付けて來る! 我王その後は別の巻に続く2026/04/02
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