出版社内容情報
物理学によく出てくる線形偏微分方程式を解くために，適用範囲の広い級数展開・積分変換の方法に焦点をあてる．物理学の異なった領域における考え方の類似性が，数学的手法の共通性を通して理解できるようになる．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruki
6
正規完全直交系を作る三角関数系としてフーリエ級数の威力は主に微分方程式の解析的解法の応用性に現れる。微分方程式の周期的境界条件ごとに適したフーリエ展開を選択し、非周期系の場合はフーリエ変換とする。収束性によってはラプラス変換を活用した方が良い系もある。より一般的な扱いを持つものとして、グリーン関数による展開も示される。フーリエ展開の重ね合わせの考え方と同じように、非線形な項を持つものでもグリーン関数の相互作用点間の関係性を記述することで重ね合わせの原理を用いた表式で理解でき応用概念の広さを感じられる。2024/07/28
