感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フリウリ
7
石川氏の「カント入門」からの派生で「弁神論のための哲学的試みの失敗」を読む。理性が世界のうちに見出す「反目的的なもの」すなわち「悪」を、「神」とどう関連づけるかをめぐる検討から、実践理性は非感性的なもの(神)を判定しえないという結論に至り、その実例としてヨブ記を召喚する、という流れです。これまでわたしはヨブ記を、信仰の強さを試される物語と捉えてきましたが、道徳心のうえに信仰が確立されるのであってその逆はむしろ神から離反すること、をカントは強調しています。これがカントの宗教(と倫理)なのかと、思いました。92025/02/03
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