感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
21
島そのものが火山である済州島を拠点にして、地下組織を作って武装蜂起の準備を進める人々の、煮えたぎるマグマの爆発を目前にした嵐の前の静けさのなかでの不穏な動きが描かれる。日本の植民地支配が終わっても、今度はアメリカ軍による同じような支配が続き、日本統治下の走狗となった者は何食わぬ顔で新しい主人に仕えて威張り続け、反体制派を弾圧する。ソ連の管轄下にある北とアメリカの管轄下の南の足並みはそろわない。南だけで独自に選挙をしようとする政府への反対運動がもし成功していたら、今日の38度線は存在しなかったはずなのだ。2021/06/26
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