感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
2
中世中東の詩の題材に使われる文化的事柄を主軸に、地中海圏、中国、日本への伝播や、それぞれの地域での扱われ方を比較をするという本書。中東の詩とか縁遠すぎる。ウマル・ハイヤームのルバイヤートを昔ちょっと読んだくらいだったので、知らないことだらけ。しかし、数珠って仏教だけのものじゃないとか、飛んで火にいる夏の虫は日本だけじゃないとか、興味深い。日本では桜の木の下に死体が埋まっているのは怪談に近いが、中東で葡萄の木の下に死人が埋められるとき、そいつは酒飲みだから死んでもなお酒が飲みたいため、とか面白い。2016/09/25