出版社内容情報
「物理では人間はわからない、死とは何かの答えを宇宙に求めるな、死の意味を自分に問うな」と科学論に基づいて答える宇宙物理学者に「それでも死をどう考えるかを聞きたい」と食い下がる女性。3.11をはさんだ激闘の先に見えたものとは? 1年間の物語を読み終えたとき、あなたの何かが変わる。解説=サンキュータツオ
内容説明
「物理では人間はわからない、死とは何かの答えを宇宙に求めるな、死の意味を自分に問うな」と科学論に基づいて答える宇宙物理学者に「それでも死をどう考えるかを聞きたい」と食い下がる女性。3・11をはさんだ激闘の先に見えたものとは?一年間の物語を読み終えたとき、あなたの何かが変わる。あの災害から十年以上が経ったからこそ読まれたい。
目次
第1章 死は科学で解明できるのか?
第2章 宇宙と人間の関係は?
第3章 私たちはどこから来たのか?
第4章 私たちは世界をどう見ているのか?
第5章 死の永遠性は物理の時間で解けるのか?
第6章 宇宙のはじまりの解明と科学の役割
第7章 学ぶ意味、生きる意味
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年山形県生まれ。1960年京都大学理学部卒業。京都大学名誉教授。専攻は理論物理学、一般相対論
艸場よしみ[クサバヨシミ]
1958年京都市生まれ。編集者。編著書に『地球を救う仕事』(汐文社)、『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽんくまそ
10
すがろうとするクサバヨシミが著者で天文学者佐藤文隆は著者ではなく相談相手。佐藤先生が毒舌に近い形で突き放す。死の問題はわからないまま。科学の本質に迫るほど相対化されるからだ。しかし、手がかりを求めて直接ぶつかっていったクサバさんの勇気は良しとしたい。ぼくも大動脈解離で死にかけたからな。2023/01/28
わ!
4
友人の不幸が重なり、死に対して疑問を持った女性が、(なぜか)物理学者に死の概念を教わろうと奮闘するノンフィクション。いろいろな感想が書けるとおもうが、まず「死」に対する「救い」を求めて読むならジャンル違いの本。宇宙に関して知りたい場合も、ほとんど触れられていない。量子力学を知りたい場合は、少し消化不良かも。ただ私の読み取りとしては、科学という系を含めて、「モノの見方とモノごとの考え方」を丁寧に説明してくれている本として良書!サンキュータツオさんの解説も上手い。この本の解説でいきなり在原業平が出てくるとは。2023/06/02
まどの一哉
3
物理学者佐藤文隆へのインタビュー記事形式ではなく、ライターの艸場がいろいろな疑問をぶつける様子がセルフレポートの形で書かれている。毎回喫茶店で会うところから始まる。人間の存在とは?死とは何か?最先端の宇宙物理学や量子力学から何らかの科学的な回答が得られるのではないか?これは素人の自分でも思ってしまうこと。ところが佐藤からすればこの質問は全くの筋違いで、前半はそのことが伝わらない佐藤の歯がゆい思いが伝わってくる。2024/02/16