出版社内容情報
「人間とは何か」を知ろうと,それぞれに新たな学問を切り拓いてきた脳科学者と霊長類学者の対談.
内容説明
脳を理解するために、ヤリイカの人工飼育を成功させ、脳活動を観測し、脳型コンピュータの実現をめざす脳科学者と、進化の隣人チンパンジーが世界をどう認識しているかを探る霊長類学者の対談。「人間とは何か」を知ろうと、それぞれ新たな学問を切り拓いてきた二人は、どのような生い立ちや出会いを経て、何を学んだのか。
目次
ぼくたちには同じ哲学がある
誰も行かない道を行く
誰のものでもない自分の哲学を求めてきた
波乱万丈の人生はたくさんの出会いを生んだ
人間中心のエゴイズムのなかで
イカの飼育にかけた一〇年の歳月
環境があり、文化があり、認識手法がある
脳よりも一〇〇万倍速く学習するコンピュータ
個性豊かな学習
脳を活性化する教育と学習
人間が人間的であるために、そして豊かであるように
著者等紹介
松本元[マツモトゲン]
1940‐2003。脳科学者。東京大学理学部助手、電子技術総合研究所主席研究官、理化学研究所脳科学総合研究センター・グループディレクターを務めた
松沢哲郎[マツザワテツロウ]
1950年生まれ。霊長類学者。京都大学高等研究院特別教授・霊長類研究所兼任教授、中部大学創発学術院特別招聘教授、公益財団法人日本モンキーセンター所長。文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
14
松沢さん&松本さんは、それぞれのフィールドでまさにナンバーワンかつオンリーワンの研究者。ふたりがともに先達として名前をあげる、ヘッブが提案したセル・アセンブリがいまの深層学習の基盤になっている。学習で獲得されたアルゴリズム=内部世界と、シンボルの生成。2020/01/13
武井 康則
4
コンピュータ、遺伝子、プログラム、脳、教育など興味ある単語が並んでいる。一流の学者で、対談慣れしていないからかえって期待したのだが、4章まで面白くない。5章以降、お互いの研究を語り始めて俄然面白くなる。脳のように問題解決するコンピュータを作ることで脳を理解しようという話や、チンパンジーの関係から文化の伝播を考えようなど、興味深い。対談は話がかみ合うや突然面白くなる。途中でやめなくてよかった。2019/11/19