出版社内容情報
温暖化の背後から静かに、しかし確実に聴こえてくる気候変動の足音。地球は、これまでどう変わってきたのか。これからどう変わってゆくのか。その謎の解明にいどむ科学者たちのドラマを、スリリングなストーリー展開で描く。日本の科学ノンフィクションに新たな地平をひらいた、講談社科学出版賞受賞作。(解説=成毛眞)
内容説明
温暖化の背後から静かに、しかし確実に聞こえてくる気候変動の足音。地球は、これまでどう変わってきたのか。これからどう変わってゆくのか。謎の解明にいどむ科学者たちのドラマを、スリリングなストーリー展開で描く。日本の科学ノンフィクションに新たな地平をひらいた、講談社科学出版賞受賞作。
目次
海をめざせ!
暗号の解読
失われた巨大氷床を求めて
周期変動の謎
気候の成り立ち
悪役登場
放射性炭素の光と影
気候変動のスイッチ
もうひとつの探検
地球最後の秘境へ
気候が変わるには数十年で十分だ
気候変動のクロニクル
気候変動のからくり
著者等紹介
大河内直彦[オオコウチナオヒコ]
1966年、京都市生まれ。独立行政法人海洋研究開発機構生物地球化学研究分野・分野長。専門は生物地球化学。クロロフィルやアミノ酸など各種有機化合物を用いた、過去および現在の地球環境の解明法の開発とその応用。生物プロセスを重視した立場から、地球環境を理解する新しい研究分野の開拓に情熱を傾けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
303
地球規模での温暖化が進んでいると言われる昨今本当に巷に言われるCO2の問題なのか、それともそういう周期なのかという話に及び、地球の基軸の動きにより過去にあっという間に冷えていったということが判明してたのは初めて知った。だから今の気候変動も氷河期から間氷期の移行期だけどまた冷えていくほうが恐ろしいなと感じた。2015/10/27
翔亀
51
梅雨というのになんという暑さか。年々暑くなってきているという実感に科学的な裏付けが与えられることの意味がよくわかる好著だ。その意味とは、長期的な気候変動の事実とメカニズムが解明されてきた歴史(つい最近のことだ)を知ることで、地球温暖化対策をその結論を鵜呑みにするだけでなく、科学者たちの知的営為の成果として捉えることができたこと。そしてその成果により、ここ数百年が稀にみる気候安定期であったという事実と、気候変動は何らかの「一押し」で一気に雪崩を打って変動するメカニズムを有すること。「一押し」とは勿論CO2。2016/07/06
ばんだねいっぺい
34
気候変動とは何かをつきつめていくとても興味深く面白い一冊。気候とは、いわゆる地球の表現で海流や気流や自転や公転や温度や太陽の入射エネルギーなどなど所与の条件の統合的産物であるため、まぁ、解析困難だということだけは、なんとなく理解できた。2021/12/31
モモのすけ
21
気候変動が年々荒々しくなっていくのはこういうことなのか。「共有地の悲劇」についても考えていかないといけないのだな。2015/01/28
まると
17
地球温暖化のメカニズムを紐解いた本かと思ったらそうではなかった。書かれているのは、太古の昔から続く気候変動の要因について分析してきた科学者たちの闘いの歴史です。世界中の科学者が一世紀以上にわたり、グリーンランドや南極の氷床、海底堆積物、深層水、天文学的要素など様々な角度から地球の繊細な仕組みを解き明かしてきた。彼らに敬意を表しつつ、気象変動のからくりをわかりやすく解説している。温暖化は数万年にわたる地球の歴史の中で見ていかないと読み解けないということですね。読み物としても抜群に面白い、素晴らしい本でした。2021/03/06