岩波現代文庫
高木仁三郎セレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032449
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0140

出版社内容情報

生涯をかけて原発問題に取り組み,最期は原子力時代の末期症状による大事故の危険と,放射性廃棄物がたれ流しになっていく恐れを危惧しつつ2000年にガンで逝去した市民科学者・高木仁三郎.3.11を経てその生き方と思想と業績にますます注目が集まっている.厖大な著作のなかから若い人に読み継がれてほしい22篇を精選.岩波現代文庫オリジナル版

内容説明

生涯をかけて原発問題に取り組み、最期は原子力時代の末期症状による大事故の危険と、放射性廃棄物がたれ流しになっていく恐れを危惧しつつ二〇〇〇年にガンで逝去した市民科学者・高木仁三郎。3・11を経てその生き方と思想と業績にますます注目が集まっている。厖大な著作のなかから若い人に読み継がれてほしい二十二篇を精選した文庫オリジナル編集版。

目次

序 私の生きてきた道(敗戦で知った思想のもろさ;私の生きてきた道、いま伝えたいこと;死をみつめながら―わが闘病記)
1 原発事故と安全神話(チェルノブイリ原発事故の波紋;チェルノブイリ事故、汚染値なお新記録も;核エネルギーの解放と制御;核施設と非常事態―地震対策の検証を中心に;安全神話の崩壊と「もんじゅ」事故;東海村臨界事故とはどのような事故か;これでは事故はまた起きる―JCO事故最期報告書批判)
2 プルトニウムと市民のはざまで(焦点化してきたプルトニウム問題;一九九七年ライト・ライブリフッド賞受賞スピーチ―一九九七年一二月八日、ストックホルム、スウェーデン議会にて;プルトニウム軽水炉利用の中止を提言する―プルサーマルに関する評価報告)
3 市民科学者として(科学とのつき合い方;はびこる“原子力文化”;巨大事故と文明の選択;市民の不安を共有する;賢治と科学)
4 科学と自然を考える(現代科学の超克をめざして―新しく科学を学ぶ諸君へ;エコロジーの考え方;エネルギーとエコロジー;核の社会学)

著者等紹介

高木仁三郎[タカギジンザブロウ]
1938‐2000年。1961年東京大学理学部卒。日本原子力事業、東京大学原子核研究所、東京都立大学などを経て、75年に原子力資料情報室の設立に参加

佐高信[サタカマコト]
1945年生。慶應義塾大学法学部卒。経済評論家

中里英章[ナカザトヒデアキ]
1950年生。東京都立大学理学部中退。85年に高木が敬愛する宮沢賢治の詩から命名した七つ森書館を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Ikuto Nagura

5
科学は何のためにあるのか。科学者は如何にあるべきか。私たちは科学や科学者とどう向き合うべきか。70年の『現代科学の超克をめざして』は、科学の在り方について著者の信念を伝えてくれる。「自然科学とは、現代科学の根源的問題性、すなわち人間と自然との間の二元論的分断を克服すること」であり、そのために科学の主体を人間に取り戻さねばならぬと訴える。その後の市民科学者としての実践は、著者が単なる夢想家ではなく、実直な活動家だったことを指し示す。それだけにフクシマを引き起こしてしまった私たちは、彼に学び直す必要があろう。2015/02/09

wishuponastar

2
原子力と人間が共存できないことを専門家の知見と良心に基づき、まさに命がけで書かれた本です。昨今抱いていた原発への疑問に応えてくれて、すごくすっきりしました。福島の原発事故を早くから予言し、私生活への嫌がらせにも負けずに最後まで主張を貫いた一人の科学者がいたことは大きな希望になりました。 高木さんの他の著作も読んでいきたいと思います。2015/11/09

まつゆう

2
脱原発を考え、実際に行動した人は稀有なので、その人の文章というだけで価値はある。2013/07/03

Sato1219

2
没後10年を超えてもなお反原発の旗手であり続ける著者だが、いわゆる「放射脳」の持ち主では全くない。むしろ、「合理主義科学」が巨大化、システム化するなかで時にドグマと化すことを告発したひとではなかったかと思う。この本のなかに若者に向かって話した講演録が載っていて、そのなかの「君たちがが社会に出ると(中略)、人間の立場と企業の仕事でという面で悩むでしょう。(中略)そういう時に、どうかその矛盾をきちっと我が身に抱えて欲しい。どっちかに純化してしまう必要はない。」という一節が心に響いた。2012/09/09

asakawww

0
「等身大の科学」を説いた著者は「脱原発」という言葉をはじめて使った日本人でもある。今こそ読まれるべき一冊。2012/08/22

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