内容説明
二〇世紀の物理学に革命をひきおこした世紀の天才アインシュタイン博士。決して秀才ではなかった少年時代、相対性理論の建設と量子論への貢献、ナチス・ドイツによる迫害と平和を求めての闘い、生涯探求しつづけた統一場理論、原爆開発との関わり…。博士と親交のあった著者が、その波瀾万丈の生涯と時代を、至近距離から生きいきと描く。
目次
青年時代と教育
アインシュタイン以前の物理学的世界に関する概念
物理学における新時代の曙光
プラハにおけるアインシュタイン
ベルリンにおけるアインシュタイン
一般相対性理論
社会人としてのアインシュタイン
ヨーロッパ、アメリカおよびアジアへの旅行
原子物理学の発展
ドイツにおける政治的混乱
政治的な武器および目標としてのアインシュタインの理論
合衆国におけるアインシュタイン
著者等紹介
フランク,フィリップ[フランク,フィリップ][Frank,Philipp]
1884‐1966年。ウィーン大学を卒業、プラハ大学理論物理学教授を経て、ハーバード大学の物理学・数学教授。ウィーン学派に属し、哲学の研究にも携わる
矢野健太郎[ヤノケンタロウ]
1912‐1993年。東京帝国大学理学部数学科卒業。パリ留学を経て、東京工業大学教授・名誉教授。プリンストン高等研究所に属した二年間、アインシュタインと親しく接する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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赤い熊熊
9
本人を直接見知りする物理学者によるアインシュタインの伝記。幼年時代から第二次大戦後、プリンストンを退職するまでの人生を、時代背景とともに詳しく紹介されています。かなりページ数が多く、なかなか骨の折れる本でした。読んだ内容がザルで水すくう様に零れ落ちる自分でも、アインシュタインについて簡単に話せる程度の知識が残ったようです。読んだ甲斐はあったと思います。2015/09/15
huyukawa
1
著者はアインシュタインに近い位置にいた人。近いがゆえに書いてある内容のすべてを信じるわけにはいかないとは思う。しかしながら貴重な書であることは確かで、たいへん興味深かった。2016/02/20
home alone
1
アインシュタインの評伝。他書では見られない、人々の相対性理論への反応やアインシュタインの政治への関係が書かれている。物理のことはほとんど分からなくても読める、楽しめるだろう。俺としてはもっと物理の話が読みたかったが。それは他書で補おう2012/05/05