出版社内容情報
明治6年,賊藩二本松に生まれた朝河貫一は,21歳で渡米,英文の『大化の改新』や『入来文書』の研究で欧米歴史学界に名高い.一方,『日露衝突』『日本の禍機』などの著書で日本外交を厳しく批判し,日米開戦を回避すべく奔走する.
内容説明
朝河貫一は、明治六年賊藩二本松に生まれ、二一歳で渡米。英文の『大化の改新』で、エール大学哲学博士号を取得、『入来文書』の研究で欧米歴史学界に衝撃を与えた。一方、『日露衝突』『日本の禍機』などの著書で日露戦争以後の日本外交への批判に全力を傾注し、日米開戦を回避すべく奔走する…激動の生涯を描く感動のヒューマンドキュメント。
目次
1 少年のさくら
2 父上様母上様
3 日露戦争と朝河
4 日本外交への忠告
5 日米文化交流上の巨歩
6 『入来文書』完成への道
7 大陸侵攻への警告
8 ヒトラーの自殺予言
9 大統領への親書運動
10 敵国内の自由人
11 永遠のニューヘーブン
著者等紹介
阿部善雄[アベヨシオ]
1920‐1986。台湾生まれ。45年東京帝国大学文学部卒業。東京大学史料編纂所教授、聖心女子大学講師を歴任。専攻江戸時代史
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感想・レビュー
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牛歩
7
明治6年福島に生まれ、渡米し、エール大学などで研究と教鞭をとりながら太平洋戦争に突き進む日本を止めようとした歴史家の評伝。/現在語られる日露戦争の「ロシア南下政策防衛戦争」史観の元はこの人なのかもしれない、と思う(ただし朝河の場合、当時喧伝されていたらしい「黄禍論」も考えに含めないといけない)。(※欄へ)2013/10/11
雨巫女
6
朝河先生の事を初めてしりました。出身は福島県二本松町で、アメリカに渡り、アメリカで日露戦争以後の日本外交を批判し、日米開戦を回避に努力した明治の歴史家。2010/07/12
マル
1
「維新の肖像」を読んで知った朝河貫一。日露戦争の際にアメリカにて日本の為、活躍した事。日米開戦を避ける為に動いた事。占領政策についてアドバイスした事など。彼の学実的な成果も知らない事ばかり。日本人の性格を見抜いた、鋭い知性は今日必要かも知れない。2021/10/03
doctor bessy
0
業績における偉大さと重要さは十分に理解できた。何故、ここまでの偉業を成し遂げられたのか、あるいは到達できたのか、その研究手法や研究経歴などが気になった。2023/04/17