内容説明
日本の戦後思想はいかにして形成され、どのような限界をもっていたか。哲学、経済学、政治思想を専門とする三人の知識人が、自らの体験と学問を賭けて語り合う貴重な記録。提起された諸問題は現代日本の混迷を鋭く透視する。第二部のテーマ。「先進国革命と社会主義」「イデオロギーと科学」。
目次
先進国革命と社会主義(構造改革理論の登場とその意義;支配のメカニズムとその逆用;構革派と社会党;日本の「民主社会主義」の思想と政党;心情ラディカリズムとその背景 ほか)
イデオロギーと科学(宇野経済学の場合;マルクス主義者であるための条件;唯物史観の適用範囲;マルクスとウェーバー;ロストウの発展段階説 ほか)
著者等紹介
梅本克己[ウメモトカツミ]
1912‐74年。主体的唯物論を唱えるマルクス主義哲学者
佐藤昇[サトウノボル]
1916‐93年。経済学者。構造改革派の論客
丸山真男[マルヤママサオ]
1914‐96年。政治学者、思想史家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
4
後半は「先進国革命と社会主義」「イデオロギーと科学」ですが私には後半のイデオロギーと科学の対論のほうがわかりやすく感じました。とくにマルクスとの対比でウェーヴァーを論じているところは、マルクス主義者から見るとやはりウェーヴァーは保守になるのですかねえ。2014/04/04
スズキパル
1
下巻は当時の社会状況を踏まえた上での、マルクス主義の捉え方をめぐる抽象的議論が中心。哲学・科学・政治がある意味未分化で「三位一体的」な構造をもつマルクス主義が、その政治主義的な変種ともいえるスターリン主義への批判や、丸山のような近代政治学の立場からの批判にどう応答してゆくのかというのが大きなテーマか。梅本克己氏や佐藤昇氏のようなマルクス主義者からも、当時のマルクス主義が「イデオロギー上の保守的防衛主義」に陥っているとの指摘が出ており、体制変革の思想としてのマルクス硬化し、衰退してゆく予兆を感じてしまった。2014/03/01
deltalibra
0
再読。2010/03/12
-
- 和書
- 日本人を導く大原幽学
-
- 和書
- 給食管理 (改訂新版)