出版社内容情報
政治におけるリーダーシップとは何か-近代史に重要な役割を担った,伊藤博文,大隈重信,原敬,西園寺公望,犬養毅がそれぞれに直面した政治状況における行動と役割を跡づける.日本政治の本質を考えるために必読.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
北本 亜嵐
22
お気に入りさんのコメントから気になって読み始めた本。伊藤公に大隈公、原公、犬養公、最後の元老である西園寺公。彼らの業績に加えて性格を加えることによって各公の評論に厚みを増している。難しかったけれど、近代の政治史を知ることが出来る一冊。2016/03/24
Hiroshi
9
①伊藤博文、②大隈重信、③原敬、④犬養毅、⑤西園寺公望、を見ていく本。性格に焦点を置き、政治状況における彼らの行動・役割・運命を跡づけていく。①伊藤は長州の足軽の出だ。岩倉に信任され、大久保に重用され出世する。性格は天真爛漫、山県とは正反対の性格だ。強い自負心・名誉心がある。大久保亡き後は大隈と共に政府の中枢を担う。そして憲法を作り、初代内閣総理大臣に。伊東己代治等を長く使ったが、閥は作らない。妥協性・協調性に富んでいた。故に超然主義から政党内閣を望み、山県と争う。外交は慎重だ。長命だと日本は変わった筈。2025/06/25
ほうすう
5
伊藤博文・大隈重信・原敬・犬養毅・西園寺公望といった政治家たちの評伝。史実の流れを把握できるというよりも彼ら個人の個性に重きを置いた逸話集的著作。そのぶん一通りの史実が頭にないと読みにくいかもしれない。ただ彼らの人となりを知ることができる楽しさが感じられる。人物のチョイスがやや政友会よりだったから憲政会ないし民政党から若槻・濱口辺りも入れてほしかった気もします。2018/07/09
のん
3
岡義武著。伊藤博文、大隈重信、原敬、犬養毅、西園寺公望についての考察集。これら五人の性格や人間性にフィーチャーして描いているように感じた。本書の要約は〔解説〕に掲載されているので、〔解説〕はたまに読み返してみても良いかも。 読みながらずっと感じていたが、西園寺公望の見識はあるがどこか傍観者的で馬力のない姿勢は、最近の政治家だと宮澤喜一を彷彿とさせる。西園寺公望は総理大臣としての評価より元老としての評価の方が高いが、現在も元老制度があった場合、元老宮澤喜一も同じような評価になるのだろうか。2025/02/10
ななっち
3
初代首相・伊藤博文、「民衆政治家」大隈重信、「平民宰相」原敬、挫折の政治家・犬養毅、最後の元老・西園寺公望を取り上げたもの。著者曰く、「戦前には人々の耳に親しいものであった。・・しかし、いつか遠い過去のことになった。」ということで、それぞれの事績、人物像を様々な証言を交えながら、描き出しています。 それぞれの知らなかった性格や、また、平民宰相といわれる原敬も、自分が抱いていた人物像とは違い、藩閥政治との妥協を重視していた側面など、表面的な評価との乖離があって、政治の現実について考えさせられます。 民衆2011/11/06
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- 和書
- 麻弥さま母より