出版社内容情報
日中両国でいまも書きつがれ、読みつがれている“三国志”の物語。その原点である正史『三国志』をひもとき、曹操、劉備、孫権らそれぞれの伝記の史実のなかに、英雄たちの真の姿を読む。『三国志』と『三国志演義』の両方を訳した第一人者が、平明な語り口で歴史の醍醐味と物語のおもしろさを存分に語る。解説=井波陵一
内容説明
日中両国でいまも書きつがれ、読みつがれている“三国志”の物語。その原点である正史『三国志』をひもとき、曹操、劉備、孫権らそれぞれの伝記の史実のなかに、英雄たちの真の姿を読む。『三国志』と『三国志演義』の両方を訳した第一人者が、平明な語り口で歴史の醍醐味と物語のおもしろさを存分に語る。
目次
第一回 正史『三国志』と陳寿の伝記(『三国志』の時代;正史『三国志』;陳寿の伝記を読む)
第二回 「魏書」―〈武帝紀〉を中心に(紀伝体の書き出し;裴松之の注を読む ほか)
第三回 「蜀書」―〈先主伝〉〈諸葛亮伝〉を中心に(劉備の出自;関羽との出会い ほか)
第四回 「呉書」―〈呉主伝〉〈周瑜・魯粛・呂蒙伝〉を中心に(父、孫堅;兄、孫策 ほか)
付録1 吉川幸次郎『三国志実録』解説
付録2 花田清輝『随筆三国志』解説―花田清輝の読み解く三国志世界
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1922‐2020。富山県生まれ。国際日本文化研究センター名誉教授。専門は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takka@ゲーム×読書×映画×音楽
14
前回読んだ同著者の岩波新書の『三国志演義』も読みやすかったが、この本も正史『三国志』と『三国志演義』を比較しながら要点を分かりやすくまとめられていた。清流派という言葉を知らなかったので、荀彧のイメージもまた変わった。原文・読み下し・解説文と原著に少し触れられること、元が講義ということもあって三国志入門にぴったりな本だった。2025/05/23
さとうしん
14
正史と裴注+αの拾い読みでたどる三国志論。正史等史書の文章はすべて原文と書き下しが掲示されているので、内容そのものにはあまり期待せず何かの取っかかりになればいいという程度の気持ちで読み進めたが、魏・呉・蜀の帝王の伝記を中心に拾い読みしていくだけでも主要なエピソードは意外と捕捉できるのだなと感じた。2025/05/21