出版社内容情報
人間はどこまで残酷になりうるのだろうか。凄惨な強姦殺人とその根底にある女性差別、カルトのマインドコントロール、家庭内暴力と息子殺し……。現実に起こった事件に取材し、そこから照射される人間と社会の深淵を描いた傑作短編漫画集。ポストフクシマ、ポストコロナの近未来を描写した新作短編を収録。(解説=鈴木朋絵)
内容説明
人間はどこまで残酷になりうるのだろうか。凄惨な強姦殺人とその根底にある女性差別、カルトのマインドコントロール、家庭内暴力と息子殺し…。現実に起こった事件に取材し、そこから照射される人間と社会の深淵を描いた傑作短編漫画集。ポストフクシマ、ポストコロナの近未来を描写した新作短編を収録。
著者等紹介
樹村みのり[キムラミノリ]
1949年埼玉県生まれ。漫画家。作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
49
樹村みのりさんは何かでSF物を読んでその名前は知っていた。みのりさん知ってるって言ったら女子が貸してくれて何冊か読んだことがある。題名は忘れてしまったがサンコミックスだったような。絵が僕の好みだった。少女漫画なのに男性が読んでも面白い青春の物だった様な昔の記憶。そして現在、書店で新刊文庫を物色してたらその樹村みのりさんの作品を岩波現代文庫で発見した。んん?1991年の作品。題名「彼らの犯罪」なんか重い感じ。なんと!女子高生コンクリート詰め殺人事件!!!あの頃の画風でノンフィクションに挑戦。これは読まねば!2021/12/27
kochi
21
表題作は、読みたくなかったし、読んでも嫌な気持ちにしかなれない、あの女子高校生コンクリート詰め殺人事件を題材にしたもの。裁判を傍聴する二人の女性の視点から事件をふりかえる。他、現代の世相(カルトや核家族の問題)に踏み込んだ作品と、今日的なテーマをサラッとながす連作短編、2度目の原発事故の後を描いたSF的な作品(今のところ最新作)まで。最新作はイベント向けの自主制作がコロナ疫のため中に浮いたため、収録されたとのことで、樹村みのりさんがそんなイベントに参加されているなら、是非とも探して行ってみたい。2021/12/02
nagoyan
8
優。なんというか。やりきれない思いが残る。それこそが、この本の価値なのだろう。2021/10/27
sk
4
社会派のマンガ。芸術やエンターテインメントと社会との関わりに一石を投じる作品。2022/01/19
tosibo114
2
朝日新聞社版を持っていたが、新作が載っているので迷わず購入。新作は短編だが視点がすごい。「保養」とか・・樹村先生は未来のことも見通している預言者かと思うくらいだ。他の3本の長編も内容は非常に重いが、決して大上段ではなく教条的に一面的にとらえているわけでもない。負の部分に人間が入り込んでしまう背景と、そこに至る心理描写、事件の総体への理解に迫ろうとするその表現過程に「すごい」という言葉しか浮かばない。このような題材を扱って表現できる漫画家が他にいるだろうか。2022/09/27
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