出版社内容情報
英文を正しく読むにはコンテクストの理解が必須です。難解で知られるジェイムズの短篇を丸ごと解説し、読みこなすのを助けます。最後まで読めば、今後はどんな英文でも自信を持って臨めるはず。現代文庫オリジナル版。
内容説明
英語は得意なのに、一つ壁があって先に進めないと悩んでいませんか?英文を正しく読むにはコンテクストの理解が必須です。難解で知られるヘンリー・ジェイムズの短篇を丸ごと解説し、読みこなすのを助けます。この短篇を徹底的に学べば、今後どのような英文に出会っても自信を持って臨めるはず。現代文庫オリジナル版。
目次
第1章 モナーク夫妻の画家訪問―辞書に依拠しつつもそれを超える方法(前文を補う後文;恨みがましいmight ほか)
第2章 品位、人柄、物腰は完璧な紳士淑女の夫妻―論理を辿って正しい解釈に達する方法(country‐house訪問;字面でなく具体的な内容 ほか)
第3章 プロモデルの下町娘が画家に霊感を与える―コンテクスト重視で納得のゆく解釈に至る方法(比喩の扱い;コンマで続く文 ほか)
第4章 敗北を認め雄々しく去る夫妻―なめらかに流れる訳文制作の方法(不定冠詞で判断;particularは「特別の」ではない ほか)
著者等紹介
行方昭夫[ナメカタアキオ]
1931年東京生まれ。1955年、東京大学教養学部イギリス科卒業。現在、東京大学名誉教授、東洋学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aminadab
21
おお、レビュー一番乗り。行方読解本の最難関で、教材はH・ジェームズの有名短編「ほんもの」。原文を50に分けてそれぞれに語注、解説注、全訳を附す。副題の通り「難解な作品」なのは確かで、行方先生が解説注を付されたところの半分近くは私も自力では意味を取れなかった。これだと『鳩の翼』など晩年の3長編は敬遠した方が良さそうだ。というわけで読み終わった後は達成感より敗北感が大きいのだが、何よりもとの小説が傑作なので、行方注で理解は届くし、これはこれで稀有な読書体験です。われと思わん方はぜひお試しあれ。2023/02/05
木の命木の心
1
落ちぶれた紳士夫妻が貧乏に耐えかねて絵画モデルになる仕事を求めて画家の家に押しかける。夫妻は画家がこれから上流階級の場をテーマにした絵に取り組もうとしているのを知り、その絵のモデルになろうと目論む。本物感を売りにしてモデルになろうとするも結局滲み出るプライドと堅物さでモデルには不向き。画家のインスピレーションを消してしまい絵の中では下男召使のモデルにしかなれない。画家から失格の烙印を押されて追い出されてしまうザ、シュールな話。英語が難しいが話も解説も面白かった。1892年作で133年前か。充実感あり。2025/05/23
Tombo
0
ヘンリー・ジェイムス「ほんもの」を精読しながら英文解釈を振り返ることができる一冊。タイトルから流行りの「ネイティブならこう言う!」的な軽いノリかと思っていたけど、ガチガチの正当英文解釈本でした。この本読まずに原文読んだら、重要な部分をほとんど読み違えてただろうなと思わされることばかり。原文がやや古いのを言い訳にしたいところだけれど、やはり自分の英語読解もまだまだだな〜と思い知った。英文解釈に腕に覚えのある人は是非ご一読を(私は打ちのめされました…)!2024/05/03
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