岩波現代文庫
児童文学の旅―石井桃子コレクション〈4〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006022556
  • NDC分類 909
  • Cコード C0195

出版社内容情報

米のすぐれた編集者や図書館員との出会いと再会、愛する自然や作家を訪ねる旅など、著者が大きな影響をうけた外国旅行の記録。

内容説明

一九五四年、初めて欧米にわたった著者は、すぐれた作家や図書館員に出会う。以来、心の友となったそれらの人々を再訪する旅、ポターやファージョンの世界が息づく自然を訪ねる旅、児童文学の国際会議への旅と、いく度か外国旅行を試みる。その体験をまとめた本書には、著者の思索と心の軌跡がみごとに刻み込まれている。

目次

1 出会いの旅―一九五四‐五五(旅のはじまり;アメリカ横断 ほか)
2 再会の旅―一九六一(はじめてのジェット機の旅;八島太郎さんとの絵本談義 ほか)
3 イギリス初夏の旅―一九七二(イギリスへ;初夏のキュウ・ガーデン ほか)
4 想い出を追って―一九七六・一九七九(環太平洋児童文学会議;ジーンのいない部屋 ほか)

著者等紹介

石井桃子[イシイモモコ]
1907年埼玉県浦和に生まれる。日本女子大学校英文学部卒業後、文藝春秋社、新潮社で編集に従事。戦後、宮城県鴬沢で農業・酪農をはじめる。その後、1950‐54年、岩波書店で「岩波少年文庫」「岩波の子どもの本」の企画編集に尽力。一年間の海外留学をへて、荻窪の自宅に私設の図書室「かつら文庫」を開く。長年にわたり児童文学作家、翻訳家として活躍。2008年4月、一〇一歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

56
あたたかく丸みのある言葉が味があって心地よい。ベアトリクス・ポターが複雑な生育環境のもとにあったことを知らないまま作品に触れていたので、自分でも知りたくなったし、幼いころ親しんでいたファージョンとの再会に、また作品を読みたくなった。出会いを作ってくださるのが本の素敵なところだ。2018/02/24

鳩羽

9
1954年、ロックフェラー財団の奨学金を受けて、著者はアメリカの児童文学を学びに留学する。過密な旅のスケジュールで出会うのは優れた出版人や図書館員達。そこでの出会いは数年後の再会の旅でより輝かしいものとなり、十数年後のポターやファージョン作品の翻訳のためのイギリス旅行でより深まっていく。著者のために組まれたスケジュール、そのメンバーの顔ぶれに驚く。と同時に、これだけの人が一人の日本人のために骨を折り、伝え教えていこうという姿勢に胸を打たれた。よいものを伝えられたら本望なのだという潔さが、格好良い。2016/11/13

timeturner

4
いやあもう、なにもかも凄い。どの旅もその充実ぶりといったら溜息が出てしまう。各地の実力者達から愛され、一目おかれる石井桃子の学識・経験・人柄にも敬服。体も丈夫だったんだろうなあと変なところを羨んだりもして。2016/10/06

TomohikoYoshida

2
石井桃子の海外での活動の記録。 記録といいながらも、簡単なメモしか(すら?)取らない石井桃子の記憶を辿ったもの。 しかし、その内容は、まさに今起こっているかのように生き生きとしている。 石井桃子の年表を見て、96歳のときに本を出していることに驚く。 肉体・頭脳ともに、飛びぬけて健康な人がいるものである。 2018/05/15

ふぁんと

1
1950~1970年代に欧米を旅した石井桃子さんの記録。 児童文学に関する人々や図書館に触れ、各国の児童文学作家、図書館員との繋がりを表現豊かに綴ってある。その中で、時代によって児童文学の扱いや図書館の在り方が変わっていく様子なども描かれている。徐々に児童文学の地位が向上し、また軽くなっていく様子も赤裸々に綴られている。その中でも児童文学を愛し、矜持を持って携わっている石井さんや各国の関係者の在り方が素晴らしい。また、石井さんが繋いでいく関係も素敵だった。2025/02/14

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