内容説明
日本人とつきあうことがタブーの文化大革命のさなかにあって、日本語の魅力に憑かれた一人の中国人青年がいた。初めて出会った言葉は「あ・か・は・た」。中国きっての日本通ジャーナリストとなった著者の目に、日本人や日本社会はどのように映ってきたのか。日本語と出会ってから四〇年、在日三〇年―同時代の証言としてすべての日本人に贈る自伝的日本論。
目次
第1部 中国篇(道草の日本語;辞書がなかった日本語学習;夜のトイレで読み耽った日本文学 ほか)
第2部 日本篇(六〇ドルを懐に留学生活;人生の新舞台・東京へ;就学生と蛇頭が織り成す点と線 ほか)
第3部 日中関係篇(「日中関係」というビルに耐震補強工事を加えよう;二〇年先を見据えた日中関係)
著者等紹介
莫邦富[モーバンフ]
作家、ジャーナリスト。1953年、上海市生まれ。上海外国語大学卒業後、同講師を経て、85年、来日(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
2
中国出身のジャーナリスト莫邦富による自伝と今後の日中関係の展望。特に来日以後の部分の内容は莫氏の今までの著作の総まとめという感が強いが、中国が日本に学ぶ一方で、日本にとっても中国から学ぶべきことが多々あるという著者の主張には強く同意。個別に印象に残ったエピソードは、同じ被爆地の資料館でも、広島と長崎とでは中国人が受ける印象が異なるという話と、既に20年前よりタイタニックから逃れるネズミのように、中国人密入国者とエリート双方が日本から脱出する動きを見せているという話。2015/02/03
ミッキー
0
日中は、背中を向け続けるわけにはいかないこと。40年という流れの中で起きた変化により、気持ちも変わったのだということが理解出来ました。参考になりました。2015/12/30